⑤近視管理用眼鏡
近視管理用眼鏡は、通常の眼鏡と同様に使うだけで、視力抑制効果が得られるのが最大のメリットです。
中心部の通常の単焦点ゾーンの周辺部に手元にピントが合うような微小レンズを多数配置することで、眼軸長の伸びを抑制できます。普段通り眼鏡をかけるだけで安全に約50%の近視抑制効果が得られるので、小学校低学年のお子さんでも導入しやすいでしょう。誰にでも扱いやすく体への侵襲性も低いので、「今後は近視管理用眼鏡が子どもの近視治療のブレークスルーになるのでは」と期待されています。実際、他の国では近視予防のため早めに導入する親御さんもいるほどです。
デメリットは、レンズ代が一般眼鏡の約2倍であること。また、国内では治験が始まっていません。また乱視が強い場合やレンズ径が合わない場合には適応外になることがあります。
こうした①〜⑤の治療は併用することで、さらなる効果を得られるケースもあります。たとえば、オルソケラトロジーとレッドライトを組み合わせたケースでは、100%を超える抑制作用が期待でき、一部では「近視を改善した」という報告もあります。
受診は必ず眼科専門医へ
昨今は「近視の予防」についても世界で研究が進んでいます。低濃度アトロピン点眼やレッドライトを近視になる前の4~5歳くらいから予防的に開始し、同時に生活習慣も整えることでほぼ予防できるという研究報告もあります(※2)。子どもの近視治療はますます〈攻め〉の時代へ向かっているといっても過言ではないでしょう。
ここまで、子どもの近視の最新治療についてお話してきましたが、お子さんにとってどの治療が最適なのかは個々のライフスタイルや費用も含め、親子で眼科専門医とよく相談して決めてほしいと思います。「点眼薬なら小児科でも処方できるのでは」と言われることがありますが、近視の裏に斜視や遺伝性疾患が潜む場合もあり、眼軸長や網膜の状態などを総合的に診察し、それらの病気を除外したうえでなければ、安全で最適な治療はできません。まずは眼科専門医を受診して、近視だけの治療でよいのかどうかをよく確認していただきたいと思います。
近視抑制治療の時期は、眼軸が急伸する5〜6歳頃から始めて、成長が落ち着く10代後半までを一区切りと考えています。つまり、子どもの近視治療は長期にわたって続けていくものになるため、病院への通いやすさ、相談しやすい医師かどうかも病院選びでは重視しましょう。
※2 How to identify and manage pre-myopes | Myopia Profile

