他の人の気分なんてわからないというなら、利回り重視で選ぶというやり方もあります。いま世界中で低金利が定着してきたので、3~4%の配当利回りでも十分に魅力的。利回り狙いなら、すでに割高になったリートも選択肢に入ってくるでしょう。

私は世間で「反リフレ派」と目されていますが、個人投資家が国債暴落シナリオにもとづいて投資することはすすめていません。アベノミクスでリフレ政策を進めていくと、理論上、国債は暴落します。ただ、現実に暴落する確率はそれほど高くありません。暴落が起きるには保有者が国債を投げ売らなくてはいけませんが、いまの国債保有者は制度上、あるいはほかに投資先がなくて国債を持っている人たちがほとんど。そのため国債が下がっても、売らずに持ち続けるしかないのです。もちろん財政金融政策は国債暴落のリスクを十分に意識しなくてはいけません。ただ、個人投資家が国債暴落に賭けるのは利口じゃない。その点は強調しておきましょう。

小幡 績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授。1992年、東京大学経済学部を首席で卒業後、大蔵省(現財務省)入省。99年退職。2001年ハーバード大学経済学博士。2003年より現職。
(構成=村上 敬 撮影=浜村多恵)
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