営業力を鍛えるには、どのような本を読めばいいのか。若い人には基礎を学べるものを勧めることが多いが、読んでほしいのは営業本だけではない。たとえば『企画書は1行』。営業研修で5つの商品を並べて、「1つを選び、僕に1万円で売ってください。納得したら買います」という訓練をやるが、商品コンセプトをつかんで一言で表現する力は、企画の本質を端的に伝える力に通じる。『コンサルタントの「質問力」』で質問力も磨いてほしい。売れない営業は商品説明ばかりして、お客様と相対する関係をつくってしまう。お客様の横に寄り添う関係を構築するには、質問によって人となりを理解し、共感を生み出していく必要がある。

『企画書は1行』野地秩嘉/光文社新書
実現に至る企画書には、企画意図が相手に1行、または1つの言葉で伝わるという共通点がある。トヨタ、ユニクロなどの事例から、ヒット仕掛け人たちの発想法に迫る。

『コンサルタントの「質問力」』野口吉昭/PHPビジネス新書
人と会話するときの思考の流れと質問のテクニックを、人気コンサルタントが解説。「仮説力」「本質力」「シナリオ力」の3つの視点から、質問力を解き明かしていく。

管理職には『野村再生工場』を勧めている。ピッチャーにも、バッターの癖を意識して投げたほうがいい投手と、相手を気にせず自分の投球に徹したほうがいい投手がいる。著者の野村元監督は選手のタイプに合わせて指導法を変えたが、営業も同じだ。部下の指導に悩む営業マネジャーにぜひ読んでほしい。

『野村再生工場』野村克也/角川oneテーマ21
人材の的確な把握、選手の再生、強固な目標の認識など、プロ野球チームを何度も優勝に導いた名将がリーダー論、指導論を語る。部下の育成に悩むマネジャー必読の書。

『成功への情熱』稲盛和夫/PHP研究所
京セラ時代に米国のメーカーを買収。米国人に日本的経営哲学を伝えるために書いた書籍の日本語版。「PASSION」とは、経営上で重要な7つの言葉の頭文字を表している。

『7つの習慣』スティーブン・コヴィー/キングベアー出版
1990年の初版以来、1000万部以上を売り上げた自己啓発の世界的ベストセラー。ビジネスのみならず、家庭や人間関係においても重要な7つの習慣について説く。

『ビジョナリー カンパニー』J・C・コリンズほか/日経BP出版センター
3M、IBMなど時代を超えて活躍を続ける企業18社を選んで、ライバル企業と徹底比較。歴史の荒波を乗り越えてきた企業は、「基本理念」に秘密があることを解き明かす。

『成功はゴミ箱の中に』レイ・クロックほか/プレジデント社
マクドナルドの実質的創業者の自伝。ミキサーのセールスマンがドライブインに注目し、世界的ファストフードチェーンに育てた軌跡を描く。着眼点の大切さがわかる一冊。

『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』小宮一慶/ディスカヴァー21
同じ現象を見ても、人によってそこから読み取るものは異なる。多くの人が見過ごしがちなところから、何をどのように発見して仕事に役立てていくのか。その技術を解説。

『かばんはハンカチの上に置きなさい』川田 修/ダイヤモンド社
全国約2000人中1位の表彰を受けた伝説の営業マンが、お客との物語のつくり方や不安の乗り越え方といった具体的ノウハウを伝授。トップセールスの思考法がよくわかる。

『キリンの流儀』猪口修道/プレジデント社
キリン創業100年目の戦略商品だった「キリン・ザ・ゴールド」を、同社はいかにして売ったのか。商品開発から販売まで、価格に頼らず価値で勝負する現場の奮闘を描く。

プラクティカル・ビジネス・コーチング マネージャー 大久保政彦
1965年生まれ。文教大学人間科学部卒。財団法人生涯学習開発財団認定コーチ。自動車ディーラーを中心に、営業マネジャー・営業マンへ実践的コーチングを行う。自身も年間173台の販売実績を持つ。