プレゼンが上手な人はどんな準備をしているのか。研修講師の深谷百合子さんは「資料をつくるとき、いきなりパソコンに向かうのはやめたほうがいい。まずは紙に手書きで要素を書き出していったほうが準備がスムーズになる」という――。

※本稿は、深谷百合子『賢い人のとにかく伝わる説明100式』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

プレゼンテーションを行うスーツを着た日本のビジネスマン
写真=iStock.com/west
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プレゼン資料作りでいきなりパソコンに向かわない

プレゼンの資料を作るときに多くの人がやりがちなのが、いきなりパワーポイントを立ち上げ、作り始めること。私もそうでした。「いいテンプレートはないかな」「どの色にしようか」といった、内容とは直接関係のないことに時間を使っていました。

また、「このスライドでは何を書こうかな」と考えながら、その間に「この文字は色を変えたほうがいいかな」「ここでアニメーションを入れようか」と、いろんなことに思考が飛びます。時間ばかりかかる割には、一発OKとなる資料にはなりません。「これはやり方を変えないといけない」と思い、パワーポイントにさわるのを工程の最後にしてみました。

代わりに取り出したのは紙です。まず、プレゼンで説明する内容の「素材」を紙に手書きします。「素材」とは、「プレゼンの目的」「聞き手は誰か」「一番伝えたいことは何か」「伝えたいメッセージの根拠となる事実と理由」です。

手書きなら、文字だけでなく「なんとなく浮かんだぼんやりしたイメージ図」もすぐに書けます。これらをざっと書き出したうえで、全体の流れを書きます。本でいう「目次」を作るイメージです。