世代別「老後破滅」ウイルス&処方箋

●ガラパゴス症候群
(PIXTA=写真)

【症状】それなりに収入があるので夫婦2人で趣味を楽しみ、年に1度くらいは海外旅行にも出かけている。節約や副業もいま話題になっているようだが、自分たちには関係ない世界の話だというささやきにかき消されて耳に入らない。「これまでどおりの生活でも将来は何とかなるさ」と変化を拒む。

【処方箋】無目的に趣味を楽しんでいると、その先には貧困が待っていることを忘れずに。子育てや住宅購入といったイベントはすぐそこにある。10年、20年といった長い目で人生を考えて、貯蓄を視野に入れた金銭感覚を身につければ病気の慢性化も防げる。

●「プチ貴族」幻覚症

【症状】使い道を気にせずお金を使う。本人に自覚症状が表れないため、初期段階での発見が難しい。特権階級意識を起こす菌は無意識のうちに増殖し、外食、趣味、旅行といった各項目に転移する。

【処方箋】外食は高い店でなくても回数が増えればそれなりの金額に。クリーニングなども1回の支出は小さいが毎回となると高額になる。週末にまとめて料理するなど自炊の頻度を増やそう。地道な努力によって幻覚症状は消えていく。

家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー
横山光昭

1971年生まれ。FPとして司法書士事務所に勤務した後、2001年に独立。5300人以上の家計を再生した実績を持つ。
(構成=八村晃代 撮影=アーウィン 写真=PIXTA)
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