「学ぶ意味」を実感するために

整理すれば、つまり「初学者が哲学に挫折する理由」は、

哲学者の残したアウトプットを短兵急に学ぼうとするものの、アウトプットがあまりにも陳腐であったり誤っていたりするために「学ぶ意味」を実感できないから

ということになります。

上記の轍(てつ)を踏まないためには、短兵急にアウトプットだけを知りたい、教えたいという気持ちを抑え、むしろそのアウトプットを主張するに至った思考のプロセスや、問題に向き合う態度を知る/教えることが重要だ、ということになります。哲学の面白さ、現在を生きる私たちが哲学を学ぶ意味は、まさにその部分にあるからです。

山口 周(やまぐち・しゅう)
コーン・フェリー・ヘイグループ/シニア・クライアント・パートナー。
1970年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループなどを経て現職。一橋大学経営管理研究科非常勤講師。専門はイノベーション、組織開発、人材・リーダーシップ育成。『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』(KADOKAWA)、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?─経営における「アート」と「サイエンス」』(光文社新書)、『知的戦闘力を高める 独学の技法』(ダイヤモンド社)など、著書多数。