若手にしろ、ベテランにしろ、どの職場にも「問題児」はいるだろう。どう向き合えばいいのか。「プレジデント」(2018年3月5日号)では、9つの場面について、具体的な対処法を識者に聞いた。第2回は「失敗の責任転嫁」について――。

日本型減点主義の、職場は言い訳だらけ

仕事でミスをすると「部長がこう進めろと言ったじゃないですか」。世代や業界、職種にかかわらず、どの職場にも責任転嫁する人は存在する。

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責任転嫁する人には共通点がある。出された指示内容や条件を確認しない、相手に指示を出すときにも責任範囲や実施条件を明確に提示しないなど、「あいまいさ」を残そうとする。失敗したときに「聞いていない」「私の担当範囲ではない」と、人のせいにしやすいように、最初から自分に責任が生じない状態をつくっているのだ。

被害を避けるには、仕事に取り掛かる前に、仕様や分担、責任範囲を明確にし、文書などに残すようにして防御するしかない。また、一対一で対応せず、「証人」となってくれる複数の人に立ち会ってもらうことも重要だ。

責任転嫁をする人が多い職場は、そもそも将来の見通しが暗い会社といえる。責任転嫁する人は、「加点主義」ではなく「減点主義」の職場に生まれやすいからだ。減点主義の職場では、前例に倣って、決められたこと、上から指示されたことを過不足なく行うことが評価され、チャレンジして失敗するのはマイナスになる。こうした職場では、責任転嫁して保身に走る人が、案外出世してしまう。