私の好きな言葉に「出迎え三歩、見送り七歩」があります。「お客様がお帰りになる際は感謝の気持ちを込め、お迎えした場所よりさらに先までお見送りする」という、古き良き日本人の心を表した言葉です。手土産も、そうした感謝の気持ちを伝えられるようなものを選びます。

私の故郷、大阪・富田林は、雄大な金剛山、葛城山、二上山に囲まれた、室町時代から続く寺内町です。180年余りの歴史を誇る和菓子店、柏屋葛城堂の「こごせの里」は、地元の人に愛され続ける銘菓。余計なものを一切入れず、いまも職人が1つずつ手作りしています。

京都・丹後で創業した「和久傳」のおもたせもまた、どれも豊かな自然の恵みを、料亭の品格を損なわない味に仕上げた逸品ぞろい。特に「穴子茶漬け」や「福久梅鰯」は、お酒にも白いご飯にも合いますので、よくお持ちします。

西宮のきれいな水と摂津、播州の良質な米から作られる純米吟醸酒「惣花」は、芳醇な香りがありながら、不思議とどんな料理にも合うお酒です。皇室御用酒として、100年以上愛され続けているのも頷けます。

今年、太陽生命は123年、大同生命は114年を迎えます。不易流行、守るべきものを守るために、ある部分においては、時代に合わせて商品を変えていく必要があります。ご紹介した手土産もまた、職人が毎日、丁寧に作り続けているわけですが、時代に合わせた工夫も凝らしているはずです。だからこそ、いつの時代にも愛され続けているのだと思います。

写真を拡大
柏屋葛城堂 こごせの里

柏屋葛城堂 こごせの里

1個270円、進物用8個入り2460円~(ともに税込)/白あんに卵黄、米から作る寒梅粉などを混ぜ合わせた桃山生地に、蜜に漬けた大粒の栗を丸ごと1つ包んで焼いた和菓子。しっとりとしていて上品な口当たり。大阪・富田林にある同店は、過去に明治天皇や皇室への献上品も手掛けており、180年以上の歴史がある。

写真を拡大
紫野和久傳 和煮 福久梅鰯、和煮 穴子茶漬け

紫野和久傳 和煮 福久梅鰯、和煮 穴子茶漬け

和煮 福久梅鰯(なごみに ふくめいわし。税込1404円)は、いわしを実山椒、梅と一緒に数時間かけてじっくりと煮含めたもの。和煮 穴子茶漬け(税込1512円)は、穴子を梅肉、実山椒、たまり醤油、などで煮たもの。和煮穴子茶漬けの販売は10月上旬~4月下旬(喜田社長は、ない時季は通年販売の「和煮 鯛味噌茶漬け」を利用)。

写真を拡大
加島屋分家が扱う宮内庁御用酒

加島屋分家が扱う宮内庁御用酒

NHK連続テレビ小説「あさが来た」は、大同生命創業者の1人である広岡浅子をモデルにしている。浅子の嫁ぎ先、大阪の両替商「加島屋」の分家は、灘酒の祖・岸田忠左衛門が1850年頃に完成させた極意の酒を譲り受け、明治天皇が東京に遷る際に、江戸(東京・新川)で酒問屋を創業する。譲り受けた酒は純米吟醸酒「惣花」として販売され、宮内庁御用酒に。現在も東京・新川で惣花の発売元として酒問屋業を営んでおり、加島屋で購入すると、箱に「加島屋捌」のラベルが貼られる。醸造元は日本盛。720ml 1728円、1800ml 3240円(ともに税込、化粧箱入り)。

T&Dホールディングス 社長 喜田哲弘(きだ・てつひろ)
1953年、大阪府生まれ。76年慶応大卒業後、大同生命保険入社。経営企画部門、人事関係などを経験し、大同、太陽、旧東京の3生命保険会社統合に尽力(2004年にT&Dホールディングス設立)。大同生命社長を経て、15年より現職。15年秋に藍綬褒章受章。