▼対策

体への負担が少なく、すんなり起きられるように、吉田氏が提唱しているのが、ベッドに寝たままの姿勢でおこなう「グーパー運動」だ。ベッドの上で横になり、手のひらと足のひらを同時に「グー」「パー」「グー」「パー」と閉じたり開いたりさせるだけ。この簡単な運動がなぜ効果的か。

脳の中には脳全体のスイッチの役割をしている前出の脳幹網様体という部分が、このグーパー運動によってほどよい刺激を受けるというのだ。

「グーパー運動で筋肉にある紡錘体というセンサーが刺激を受け、神経の興奮が脳幹網様体に届きます。その結果、脳全体のスイッチがオンに切り替わり、目が覚めるわけです。寝転んだままできるので、脳が十分に覚醒していなくても実践できるのが大きな利点です」

そうした脳と体の準備運動を経たあとに立ち上がれば、血圧がドーンと急上昇せず、緩やかに上がっていくというのだ。そうなれば、早起き時の身体的な負担は減り、「継続」しようという気持ちになるのである。

ちなみに、ベッド内でできるエクササイズとして「伸び」がある。両手を突き上げるようなポーズで、全身の筋肉に力が入るのを意識して体を伸ばすと、より目覚めの効果があるそうだ。

習慣化コンサルタント
古川武士
日立製作所を経て、社員教育定着化などのコンサルティングをしている。著書に『30日で変える「続ける」習慣』。
 
医学博士・東京理科大学客員教授
吉田たかよし
灘校、東大卒。元NHKアナウンサー。大学では、自律神経や脳機能に関する応用研究に従事。
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