社員の意識改革は進んでいる

海外事業についても同様である。日本人社員のグローバル対応力の向上を図るだけではなく、外国人の採用も積極的に行うことで、海外事業展開において目指すべき企業グループ像に合った人材ポートフォリオの構築を急いでいる。こうした戦略の一環で、この7月に海外M&Aで豊富な経験を持つ外国人弁護士を執行役員として迎えている。

まもなく、損保ジャパン日本興亜の発足から1年が経過する。幸い、この間のホールディングスの機能強化や新たなグループブランドの構築、世界での積極的なM&Aの動きは社員たちに大きな意識改革を促している。そして、SOMPOホールディングスの目指す姿は、世界32カ国、5万人を超えるグループ内でしっかりと共有されている。

それは、変化の時代にも確かな明日をお届けするため、お客さまの「安心・安全・健康」な暮らしをひとつなぎで支えるグループ。保険の先へ、挑む。日本の「損保」から世界で伍していく「SOMPO」へ変わるための大きな挑戦が始まっている。

櫻田謙悟(さくらだ・けんご)
1956年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、安田火災海上保険入社。2010年に損害保険ジャパン社長に就任、2014年9月より損保ジャパン日本興亜会長。12年より日本興亜損保との持ち株会社NKSJホールディングス(現・損保ジャパン日本興亜ホールディングス)社長を兼任。
(構成=岡村繁雄 撮影=市来朋久)
【関連記事】
損保会社が海外戦略を加速させる理由
社員の「市場価値」を高め続ける人事運営の要諦
損保の活路は、お年寄り対策とアジア市場開拓にあり -日本損害保険協会会長 櫻田謙悟
なぜビッグデータで顧客満足度が高まるのか
「保険のアドバイス」誰がいちばん頼りになるか?【1】