サービス産業への進化を可能とする人材

2014年9月にスタートしたこの連載も最終回を迎えた。そこであらためて、私どもが掲げた「世界で伍していくグループ」について説明しておきたい。

櫻田謙悟・SOMPOホールディングス社長

まず必要なのがSOMPOホールディングスを取り巻く中長期の経営環境の再認識である。経営環境を説明する言葉として昨今「VUCA」という言葉が用いられているが、私は、まさにこれが現在の世界全体を象徴するキーワードだと思う。Volatility(不安定)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字を並べたものだ。

当グループでは損害保険を中心に、生命保険、ヘルスケア、リスクマネジメント、リフォームといったさまざまなサービスを提供しているが、どの事業においてもお客さまに突然変化が起きる時代となっている。既に1980年以降に生まれた「ジェネレーションY」と呼ばれる世代は、IT機器を駆使し、従来とは異なる価値観、行動特性を持つ。

いままでのように代理店を通して保険を購入するのか、あるいはインターネットだけなのか。こうしたお客さまの変化に対応するには、これまで以上に「Unique」で「Uncommon」であることが重要となる。そのためには人材投資が不可欠だ。来年度からスタートする次期中期経営計画では「真のサービス産業への転換」と「グローバルに伍して戦えるポジションの確立」に向けてさらに大きく舵を切っていくことになるが、さまざまなバックグラウンドを持つ社外取締役からも事業ポートフォリオに合わせた人材ポートフォリオの構築が急務との意見をもらっており、人材育成や採用を活発化させているところだ。