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創造的な思考を実現する5つの思考法
ヒナ型(3)「掛け算」

このテクニックは、製品やサービスの一部の要素をコピーして増量し、その際にそれまでは無意味もしくは奇妙と考えられていたような変更を加えるというものだ。

わかりやすい例として、子ども用の自転車に、通常の車輪に加えて補助輪を付けたケースが挙げられる。補助輪があるために、子どもは自転車の運転のコツが掴めるまで、安全に自転車に乗ることができる。

スクリーンに複数のテレビ局の映像を同時に映し出す「ピクチャー・イン・ピクチャー・テレビ」も掛け算の発想によって生まれたものだ。あるテレビ局のニュースを見ながら、別の局でスポーツ中継を見たい、といったことを可能にした。

ヒナ型(4)「一石二鳥」

これは、製品やサービスの一つの要素に複数の機能を持たせる手法である。多くの場合は、それまで互いに無関係だと思われていた機能が使われている。

このテクニックは、特に広告業界で広く使われている。タクシーや路線バス、スクールバスなどの様々な車両を広告の媒体として用いることなどがそうだ。

このほか化粧品の乳液や保湿クリームに日焼け止め効果を持たせたりするのもこのテクニックの応用といえる。

ヒナ型(5)「関数」

それまで無関係だと思われていた複数の要素を連動させることによって、革新的な製品を生む手法が「関数」のテクニックだ。その場合、1つの要素が変わると、それに合わせて別の要素も変わるように、2つの変数を連動させているケースが多い。

例えば自動車ではこのテクニックが多用されている。雨の強さに合わせてワイパーが動く速度が変わったり、対向車が近づいてくると自動的にヘッドライトの光量が落ちたり、車のスピードに合わせてラジオの音量が変わったり、といった具合だ。

スマートフォンのアプリケーションで、現在地の情報と近隣の店舗の情報を組み合わせてレコメンドする、といったケースもこのテクニックを活用した例に当たる。