40代からは社外評価を上げよ

順風満帆の定年後ライフを送る早船氏は、定年後の働き方についてこんなふうにアドバイスする。

「少しでも働きたいと考えている人は、定年後の準備は早めにやったほうがよいと思います。とくに自分の得意分野があれば、その強みをどのように生かすのかを考える。若年層の失業率が高いですが、それは60歳以降も一緒。やはり自分の“売り”がないと再就職は難しいと感じました」

マイスター60の高平事業本部長も、定年後に再就職を果たすには60歳から準備をしても遅いと指摘する。

「少なくとも50代半ばから準備したほうがいい。よく自分のキャリアプランやキャリアデザインを描くことが大事であると言いますが、むしろ今の時代はキャリアのリスクマネジメントをしなければいけないと考えています。できれば40代の働き盛りの時代に社内評価だけではなく、社外の評価も高め、いざとなったら社外から声がかかる人材になることが大事です」

現役でさえ会社がいついかなる事態になるのか想像できない時代だ。自らのキャリアのリスクテークをすぐにでも始め、定年後も働き続けられる環境を自力でつくっていくべきだろう。

(武島 亨=撮影)
【関連記事】
60代からの「副業」で月10万
定年後、再雇用される人、捨てられる人
定年後の「ビンボー家計簿」分析&改善法
リタイアが60歳だった時代とは違うキャリアの設計が必要
50歳から始める「お一人さま」の幸せ満腹人生プラン