やなせたかしは本質的に「詩人」だった
やなせ先生は漫画家であり、作詞家でありましたが、そもそも本質的に「詩人」なんですね。詩人というのは、詩が好きだったり、詩的なことを考えたりしますが、一番大切なものは詩心で、「詩心はある人とない人がいる」と先生は言っていました。
やなせ先生は、「日陰に咲いてた花がかわいそうだから日向に出したら、なおぐったりしちゃった」なんていう詩も書いているんですね。先生は、日陰に咲いている花をかわいそうと思う感性を持っていて、それを何とかしようと思って、実際に行動もしちゃう。でも、やっぱり日陰が好きな花はあって、それは日陰にいないと弱ってしまうし、突然無理やり日向へ持っていっちゃうと枯れてしまう。それは人間も同じですよね。そういう小さなことを詩に書いているのが、いかにもやなせ先生らしいんです。
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