ルール作りに抵抗するときの「かかし戦術」
SNSやゲームが、自分の生活や友人関係に深く入り込んでいるティーンエイジャーの場合は、その利用について親とルールを決めたり約束をしたりすることに、強く抵抗することもあります。そして、無意識のうちに論点をずらそうとして「かかし戦術」という手法で反論してくることがあります。
「夜寝る前にSNSにアクセスできないと、周りの友達は私がみんなを無視していると思ってしまう。お母さんは、私がみんなに嫌われてもいいと思っているんだね!」「たった○時間しか友達とゲームができないなんて、お父さんは僕に友達がいなくなってもいいと思ってるんでしょう!」などです。
かかし戦術は、英語ではStrawman Strategy(ストローマンストラテジー)といいます。Strawman とは、中身のない藁人形や、人間の形をしている作り物のかかしを指します。転じて、かかし戦術は、相手の論点に直接反論するのではなく、ダミー(かかし)のような論点を別に作り出して、そのかかしを攻撃する手法です。
戦術に巻き込まれず、対話をしながら交渉する
この場合、かかしを攻撃することで、ずれた論点(お母さん/お父さんは、私/僕のことを大切に思っていない)に焦点が移り、本来の論点(SNSやゲームをやりすぎるのは良くないので、適切に楽しむためのルールを設けよう)に関しては議論しなくてもいいような状況が生まれる可能性があります。
かかし戦術を受けた親の方は「そんなことはない。私はあなたのことを大切に思っているし、友達と仲良くしてほしいと思っている」ということを説明し始め、いつの間にか「SNSやゲーム利用のルールについて」という当初の議論から話がそれてしまうかもしれません。親は、「私たちは、SNS/ゲームの話をしているのであって、あなたの幸せを取り上げる話などしていない」と、かかし戦術に巻き込まれないよう注意してほしいと思います。
子どもの方は、少しでも長くスマホやゲーム機を手にしていたいと必死になるでしょう。親としては、その気持ちに理解を示しつつも、言いなりになるのではなく、対話をしながら交渉し、両者で落としどころを見つけていくとよいと思います。


