車を持っている人は毎年、自動車税を払わなければならない。自動車生活ジャーナリストの加藤久美子さんは「延滞金はそれほど高額にはならないが、それ以外にも重大なペナルティがあるので期限内に納めることをお勧めする」という――。
「TAX」の文字とおもちゃの自動車
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納付率は88%、しかし滞納も多い

毎年、ゴールデンウィークが明けた頃に届く自動車税の納税通知書は、その年の4月1日時点での所有者の住所に送られている。4月1日時点の所有者に納税義務があるため、車検証に記載された所有者住所に届くようになっている。

総務省のデータによると、2023年度の全国の期限内納付率は約88.2%、滞納件数は537万4749件だった。

【図表1】自家用車の自動車税額
編集部作成

この時期によくあるのが「車を売却したのに自動車税の納税通知書が届いた!」「知人に譲ったはずなのにまた自動車税が来た!」というトラブルである。

要するにこれは売却した車の名義変更が前年度末までに行われていなかった、ということを意味している。もちろん、3月中旬以降の売却だと名義変更が間に合わないこともあるだろう。

そのような時、車を買い取った中古車店は「自動車税の納税通知書が来たら店に送ってください」などと言うものだが、中には店に納税通知書を送っても完全に無視されることもある。督促状が2回来たので仕方なく店に連絡したら担当者が退職していて、さらにその後、店自体が閉店していて連絡先も不明……ということもあった。

青森・秋田だけは期限が6月30日

自動車税の納税通知書を中古車店宛てに送ってもらえばいいのでは?と思うかもしれないが、納税通知書の送り先の住所を変更する際、氏名や法人名の変更は不可となる。納税通知書が届く前に県税事務所などに連絡をしてあらかじめ店宛てに送り先を変える……なんてことは不可能なのだ。

自動車税の納付期限は毎年5月末なのだが、今年のように5月31日が土曜日となる場合は延期されて6月2日(月曜)が期限となる。

ちなみに青森県と秋田県だけ納付期限が違うことをご存じだろうか? この2県では県条例で、5月末の納付期限が1カ月延長されている。今年でいえば6月30日(月曜日)が納付期限だ。