
年金の手取り額は減り続けている
年金は老後の収入の柱です。日本の年金制度を悪く言う人も多いですが、優秀な制度です。インフレ率を超えて年金額が増えることはありませんが、おおむねインフレ率を加味した年金額がもらえますので、生活が急激に苦しくなることはないように設計されています。生涯にわたってもらい続けることができるのもありがたいでしょう。
とはいえ、年金だけで生活するのは厳しいかもしれません。現役世代のうちに、資産形成はしておいたほうがいいでしょう。老後に豊かな暮らしをしたいならば、なおさらです。
ところで、50歳になると、誕生日に届く「ねんきん定期便」には年金見込額が表示されるようになります。ここに記載されている金額はあくまでも年金額面であり、全額が手取りとして受け取れるわけではありません。というのも、年金からも給与と同じように、税金と社会保険料が引かれて振り込まれるからです。
この税金や社会保険料は年々増えているため、年金生活者の手取りは減り続けています。今回は、年金収入200万円の人を例に、2000年以降の手取りはどのように減ってきたのか紹介します。
現役世代の方は、この現状を踏まえ着実に資産形成を行っておき、年金をすでにもらっている方は、利用できる制度は活用し手取りを増やす工夫をしていきましょう。
年金の額面と手取りの違いをおさらい
年金から天引きされる税金・社会保険料には、「所得税」「住民税」「国民健康保険料(75歳未満)」「後期高齢者医療保険料(75歳以上)」「介護保険料」があります。年金額面から、これらの税金・社会保険料が天引きされた金額が、2カ月に1度、2カ月分まとめて、指定した銀行口座に振り込まれます。
