「よい声がけ」と「NGな声がけ」の実例

ただ、お子さんの性格によっては、「自分で決めていいよ」と言われても戸惑ってしまうので、タイプに応じて関わり方や伝え方を変える必要があります。

【子どものタイプ別 選択の際の声がけ】

【1】依存型(他者依存タイプ)
・親や教師の意見に従うことが習慣化
・「自分で選ぶ責任」を避ける傾向
・「どうせ失敗するから」と他者任せ
・消極的な姿勢が目立つ

このタイプは「自分で決めていい」と言われても、決め方がわからないので不安が増してしまいます。まず、自分で考えて選択する習慣をつけることが大切ですが、すべてを決めるのはハードルが高いので範囲を狭めて選べるようにするとよいでしょう。

(よい伝え方の例)
「AとBどちらがいいと思う?」
「興味があるのはどっち?」
「どれを選んでも大丈夫だから」

(NGな伝え方の例)
「あなたの好きにしなさい」(突き放されたように感じて不安になってしまう)

【2】完璧主義型(過剰慎重タイプ)
・「絶対に後悔したくない」と情報収集に没頭しがち
・選択肢を増やしすぎて比較不能に陥る
・失敗=悪という思考が強い
・決断直前で急に不安が爆発してしまう

このタイプは慎重すぎたり、失敗を恐れたりして決められないことが多く、考える時間を与えすぎても決断できなくなります。選択した後もやり直しは可能だと伝えていくことが大切です。
また、選択肢が多いと決められないので、3~4個に絞って提示するとよいでしょう。

(よい伝え方の例)
「もし間違ってもやり直せばいい。失敗も学びでその経験は無駄にならないよ」
「今のベストを選べばOKだよ。もし気持ちが変わったら、○○までに見直せば大丈夫」
「『どの選択肢が楽しめるのか』『ワクワクするのか』で選んでみて」(「何となく嫌だな」「必要ないな」という選び方でもOK)

(NGな伝え方の例)
「後悔しないように慎重に考えて」
「早く決めなさい」
「自由に選んで」(基準がなく不安になり、決断できなくなる可能性が高い)

【3】無気力型(自己肯定感欠如タイプ)
・「どうせ私には無理」と最初から諦めている
・進路への興味そのものが薄い
・他者の選択を妬む一方で行動しない
・現実逃避的な言動が目立つ

「どうせ無理」と思って行動できないタイプなので、まずは自己肯定感を育むことが大切です。ふだんから本人が短所だと思っているところを、長所としてリフレーミング(別の視点で見る)する機会を増やしたり、行動を促す声がけをしたりするとよいでしょう。

(よい伝え方の例)
「このまま何もしないでいるとどうなる?」(何もしないでいるとどうなるか? 自身の選択の影響を自覚することで、行動しようという動機につながりやすい)
「やりたくないことは何?」(やりたいことが見つからない場合でも「嫌なこと」なら考えやすい。そこから選択肢を絞るという方法もある)

(NGな伝え方の例)
「もっとがんばりなさい」
「みんながんばっているのに」(人との比較によって自分はダメな存在だと思い込み、さらに無気力になるのでNG)