“体育会文化”の悪影響
私が熱血教師と並んで、今の学校教育に悪影響を与えていると考えているのが『体育会系文化』です。
体育会系の先生の発言力が大きいというのは、どこの学校でも普通に見られます。
地域による違いはあるとは思いますが、たとえば野球部の先生の人事が優先的に決められる地域があります(明文化はされていませんが、地域の教員はみんな理解していることです)。
夏の高校野球に見られるように、野球は学校だけでなく地域を挙げて応援するようなスポーツです。もしも野球強豪校に野球ができる先生が赴任しなかったなんて事態になったら、地域の野球部OBみたいな人から教育委員会にものすごいクレームが入ります。
そのため、野球部がある学校には必ず野球ができる先生が配属されます。
逆に、学校に卓球ができる先生がいない、バスケ部があるけど顧問はバスケ経験者じゃない、ということはよくあるのですが、野球部ではそのようなことはほぼありません。
校長も、運動部の顧問で毎年成果を出して、中体連の支部長を経験して、たたき上げで校長になった、という人が少なくありません。そういう校長は体育会系の教師、部活をがんばっている教師が大好きです。
運動会や応援合戦、組体操も、体育会文化の最たるものです。整然と並んで入場行進する姿は、日本人からすると清々しいかもしれませんが、外国出身の生徒の中にはすごく嫌がる子もいます。「こんなのやるのは軍隊だけだ」と言うのです。
日本人は、小学生からの教育ですっかりこういうのに慣れてしまっていると思いますが、日本の学校は学校全体に、体育会系文化、軍隊的なノリがかなりあります。たしかに、外からは異様に見えるでしょう。
飲み会の締めで校歌を歌う
私は学生時代、大の運動嫌いで、ゲイだからかもしれませんが、男臭く「オー!」みたいな声を出すのもどうしても苦手でした。だから、自分が子どもの頃から、そして、教員になってからも、ずっとこの体育会系文化には疑問を持っています。
そして、そのような体育会系のノリは、実は学校内に限りません。これはどうやら私が働いていた県限定らしいのですが、教員の飲み会の最後に『エール』をやるのです(笑)。
「フレー、フレー、○○中!」みたいなやつ。
若手教員が前に立って音頭をとってみんなで「フレーフレー」と言わされるのです。そして最後はみんなで肩を組んで校歌斉唱となります。
戦前のバンカラ大学生みたいなノリです。教員になったとき、「こんな世界なんだ……」と、衝撃を受けたのを覚えています。
私は、そのノリがもう本当にイヤで「もうやりたくない、やるんだったら飲み会は出ません」と言ったことがあるのですが、すると生徒指導主事の体育の先生と学年主任の先生に応接室に呼び出されて、2人がかりで説得をされたんです。「すぎやまさんがやってくれなかったら誰がやるの⁉」と。
いや、誰もやらなくて結構です。


