働かない中高年教員を数少ない中堅教員が支える

1970年代後半~80年代、日本はもっとも経済成長し、好景気に沸いた時代でした。

その時代、世の男性たちの間では「商社に勤めてバリバリ稼いだ男が勝ち組。公務員や教師になるような奴は負け組」というような風潮があったのです。

だからあの時代に教師になった人たちの中には、半ば仕方なく教師になった人たちも多い、という話は教師の間でもよく聞く話でした。

実際、当時の教員採用試験の倍率を見てみると、教員不足のここ数年と同じぐらいの水準と、低迷しています。

【図表1】総計 受験者数・採用者数・競争率(採用倍率)の推移
出典=文部科学省「令和6年度(令和5年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況のポイント」のデータを基にSBクリエイティブ株式会社が作成[静岡の元教師すぎやま『教師の本音 生徒には言えない先生の裏側』(SB新書)より]

私が現場で見てきた中でも、この世代は極端に志が低かったり、仕事ができなかったりする人が多かった印象を個人的には持っています。もちろん、ものすごく仕事ができる人もたくさんいましたし、尊敬できる優秀な先生もたくさんいましたが……。

しかも、とても厄介なのはこの世代の教員はとにかく多い!

文部科学省が発表している教員の年齢構成を見ると、明らかに世代による教員数に偏りがあることが如実にわかります。2013年(平成25年)時点で59歳(1954年生まれ)~49歳(1964年生まれ)の人たちだけ突出しているのです。

逆にガクッと凹んでいるところが私の世代、いわゆるロスジェネ世代・就職氷河期世代です。ロスジェネというのはロストジェネレーションの略で、失われた世代という意味。就職難のせいでどこの職場でも少ない、今40代前後の世代のことをいいます。

そのせいで、「職場の半分は50代、30代は私1人」みたいな時もあったくらいです。

【図表2】教員の年齢別構成比
静岡の元教師すぎやま『教師の本音 生徒には言えない先生の裏側』(SB新書)より

このアンバランスさのせいで、働かない中高年教員を、数少ない中堅教員が支えるという歪みの原因になってしまっているわけです。

一方で今の若い先生たちは、逆に熱意のある人が多いように思います。

今、世間では教師という職業に対してネガティブなイメージが広まっていますよね。そんな中であえて教育の世界に入ってきたような人たちです。とんでもない情弱(情報弱者)か、逆にものすごく志の高い人か、どちらかなのでしょう(笑)。

実際、現場でも一生懸命働いてくれ、仕事の覚えもよく、生徒からも好かれる先生が多かったように感じています。