“普通の”同僚が「ハイスペ」と結婚したと聞いた
その理由は、職場の同僚の女性が結婚相談所に行き、わずか数カ月で高学歴高年収のハイスペック男性と結婚したという噂を聞きつけたから。とはいえ、実のところこの彼女、「何としても結婚したい」という決意などは持ち合わせていなかった。
だって、1年365日、適温に保たれた快適な実家暮らし。親から「結婚せよ」とせっつかれているわけでもないし、心のどこかにいつか結婚しても良いかなと思う気持ちがちらついても、焦る気持ちなどどこにもない。
だが、どこにでもいそうな普通の同僚の突然の結婚宣言には、度肝を抜かれたのである。同僚は、容姿が特別良いわけでもなく、ごくごく平凡な家庭で育ってきた人だった。
「お子さんは希望されますか?」
この質問に、ほとんどのアラフォー女性は「欲しい」と回答する。彼女も同様に「欲しいです」と答えた。

結婚して子どもを望むならば、1日でも若いことが大事。アラフォーで結婚し、40歳を過ぎてから第1子を授かる女性もたくさん見てきたが、長い時間不妊治療に苦しんでいる方も同時にたくさん見てきた。彼女が結婚して子どもも望むのならば、1分1秒が大事になる。
「50歳以上」から多くの申し込みがあったが…
結婚相談所で婚活をするためには、独身証明書や住民票などの公的書類を提出する以外に、プロフィール用の写真が必要である。素早く予約し、とびきり可愛く見える写真を撮ってもらった。プロの手にかかれば、ごく普通の女性もキラキラと輝くような雰囲気に仕上がるから、この婚活写真マジックには毎回驚かされる。
彼女もそれはそれは“素敵な女性”に写してもらった。この写真とともに、人柄の良さを最大限に記述したプロフィール文を作成。入会希望から10日間というスピードで結婚相談所デビューした。
結婚相談所に入会すると、「入会バブル」と言われるお見合いの申込みラッシュがほとんどの方で起こる。何百と来る方も少なくないが、おおむね10件以上はお申込みをいただける。結婚相談所で婚活している方々が、毎日サイトをチェックして、新規入会者のリストに登場した方に積極的に申し込みをするからである。そして、スペックおよび人柄が素晴らしい方は、光の速さで成婚退会していくのも事実として起こる。
そんなわけで、彼女にも数十件のお申し込みが来た。彼女は40歳だから、50歳以上の男性からの申し込みがかなりあった。中には、1000万円以上の高年収の男性もいて、条件的には申し分ない方もいたが、髪が後退している方や顔の造作へのチェックは厳しかった。特に彼女は年齢が離れた方にはひどく嫌悪感を抱くようで、自分の好みでない男性からのお申込みには、「無理、無理、無理~」「キモいです」を連発した。