彼と出会って、自分の幼稚さに気付いた
彼女は、どちらかというと感情の起伏が激しいタイプの女性であるが、彼とお付き合いするようになってから、仕事の相談などをすると毎回「感情的にならないほうが良いよ」とアドバイスされたとのこと。
彼女は仕事でトラブルなどに見舞われても冷静に対処できるようになったそうで、職場での評価もぐっと上がったという。
「彼のおかげで、私の幼稚さに気が付かされたんです」
2人で撮ったツーショット写真を見ると、もう前々から付き合っている恋人同士のように見えた。ならばと、お相手の結婚相談所のカウンセラーに真剣交際の申し入れをすると、いたく感謝され、大歓迎された。
「ありがとうございます! 彼はとても良い青年なんですが、年収が低いから結婚になかなか至らず、苦戦していたんです。本当にありがたいお話です」と返ってきた。
いよいよ結婚に向かって動き出した。結婚相談所のルールでは、お見合いから結婚までは3カ月を目標に交際することになっており、長くても半年以内となっている。彼と会ってからまだ1カ月だが、子どもも希望するなら結婚は1日も早いほうが良い。そして、あれよあれよという間に話は進み、ついにはプロポーズを受けた。
高年収・高学歴よりも「人柄ハイスペック」
彼女のお相手は、とりわけ婚活市場では“好条件のハイスペック男性”とはいえない。2人の年収を合わせても700万円弱。共働きなら不自由はないだろうが、彼女が妊娠して働けなくなれば、彼だけの収入になることだってある。
だから、彼だけの収入になっても暮らしていけるように、住まいも都心から離れた郊外を選んだ。最寄駅からは徒歩20分ほど、築年数も古くて家賃も安い。
「お金はたくさんなくても良いんです。2人で節約しながら身の丈に合った生活を楽しみます」
そう話す彼女には、後光がさしていた。「男性の年収は1000万円以下なんてありえないです」などと豪語し、婚活期間が無駄に長引いてしまう人たちに聞いてほしい言葉でもある。
こうして彼女は入会から3カ月後に、成婚退会することになった。「惚れっぽいオンナは婚活で最強」だ。彼女の惚れっぽさが功を奏して引き当てた「人柄ハイスペック」男性とのご縁である。
「子供部屋おばさん」だった彼女は、人生で初めて実家から離れて暮らし、いまは大好きなご主人とラブラブで幸せな毎日を過ごしている。1日も早く、幸せな2人に「こうのとり」からお届けものが届きますように……。
1964年生まれ、株式会社ロックビレッジ取締役。ウエディングに特化した広告代理店を30年以上経営のかたわら、婚活サロンを主宰。世話好き結婚カウンセラーとして奔走。著書に『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)がある。