地方では公立高の競争力が低下、名門高も定員割れ

例えばもともと公立高のレベルが非常に高く、私立高は角度の違うニーズを埋めるものとして発展した大阪では、家庭の所得レベルを問わずに一律で私立高の学費が無償化されたことで、府立高離れ、定員割れが生じた。その一つである大阪府立寝屋川高校は私の卒業校であり、学区では難易度で2位にある伝統進学校でもあるため、大阪ではショックが広がっている。

授業料以外に、給食費の無償化でも大阪は悪名高い。もちろん地域や学校によって状況はさまざまではあるのだが、年間予算が一定なのに急激なインフレ局面にある現在、材料費高騰で非常に乏しい給食内容へ陥ってしまうケースが多々報告され、「子どもたちがおなかをすかせて帰ってくる」「こんなことなら無償じゃなくていい」と保護者たちから不安不満の声が上がる。安くてお腹いっぱい食べられるのが誇りである食い倒れの街、大阪ならではとも言えようか、幼い子らに食べ物の恨みを植え付けてしまうのは望ましくない。