英文法は大人になってからのほうが伸びる

でも、じつは英文法は大人になってからのほうが理解力が高いと考えています。

中学で英語を学び始めたときは、やれbe動詞だ、SVOCだ、時制だなど初めて学ぶことが次々とやって来て、英語=難しいという印象を植え付けられている人も少なくないと思います。

でも、それは当然ですよね。小学校を卒業したばかりの13歳かそこらで、まだ母国語である日本語の文法でさえおぼつかないのに、日本語とは文字も文法も異なる外国語を勉強しますと言われて戸惑わないわけがありません。

ところが、大人になってから中学の教科書を改めて開いてみると、思いのほかすんなりと理解できたりします。やはり中学生に比べたら日本語はもちろん英語に関する知識や接した機会も多いですし、学生時代に一度習ったベースがあるので、「そんな難しくないぞ」「なるほどそういうことだったんだ」と感じます。

「基本文法の学び直し」で人生が変わった

私も基本文法から英語を学び直したおかげで、TOEICで700点を取得することができました。さらに英語力を活かして海外出張や海外駐在のチャンスをつかみ、会社の海外進出プロジェクトに参加。こうして、世界への扉が一気に開いたのです。

マーク(村木幸司)『見るだけでわかる‼ 英語ピクト図鑑』(プレジデント社)
マーク(村木幸司)『見るだけでわかる‼ 英語ピクト図鑑』(プレジデント社)

その後、駐在先のタイでも英会話スクールに通ったり、TOEICの学習も続けたりして、800点→900点→940点(リスニング満点)まで英語力を伸ばすことができました。

現在は独立して、オンライン英語コーチなどをしながら、東南アジアを中心にノマドライフを満喫しています。英語をやり直したことで人生の可能性を広げ、自由な生き方を謳歌することができています。

「中学生レベルの基本文法をやり直したことが自分の未来の扉を開く鍵になった」。

これが私の中での揺るぎない結論です。中学英文法というのが仮に英語学習全体の1%だとしたら、そこだけやっておけば、あとは必要なときにその基本を引っ張り出してどんな状況にも対応できます。

「基本が大事」というのは何事にも通じる本質的なものだと、自信を持って言えます。30代、40代の人こそ、ぜひ中学英文法からやり直してほしいと思います。

英語の勉強
写真=iStock.com/kf4851
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