中学レベルの英文法がわかっていなかった

私はそれまで、中学生レベルの英文法ぐらいはわかっているつもりでいました。しかし、あらためて日本語で基礎から学び直してみると、中学レベルの英文法をぜんぜん理解できていないことに気がついたのです。

「時制」や「be動詞」、「品詞の機能」など、基本文法を文字通りいちから学び直していくうちに、勘違いや知らなかったことがどんどんクリアになっていきました。第2文型のSVCは「S(主語)=C(補語)」なんだとわかったときは、目から鱗が落ちるほど感動しました。

わかることが増えるにつれ英語の勉強が楽しくなり、学習のモチベーションもアップ。簡単な英文が読めるようになり、仕事でも海外拠点と英文のEメールでやりとりできるようになりました。

そしてTOEICも、460点→550点→700点とスコアが劇的に伸びていったのです。

「英語はネイティブに学べ」は間違っている⁉

こうした実体験もあり、私は、とくに日本人が思い込みがちな「英語はネイティブに教わったほうが伸びる」というネイティブ神話は、必ずしも正解とは言えないと考えています。

私がそうだったように、英語の基礎をきちんと理解していない段階でやみくもに上級者と会話をしても、せいぜい覚えたフレーズを使うぐらいしかできず、自分の伝えたい文章をつくったりするのは難しいんですよね。

もちろん、英語で会話することが目的であればネイティブ講師に教わるのはありだと思うのですが、その場合でも基本の英文法がわからなければ文章はつくれないですからね。少なくともTOEIC対策においては、まずは英語の基本文法をきちんと身につけることが重要です。

基本の英語知識を身につけ、それを実用レベルで活用できるように広げていく。そんな、一見地味に思えるアプローチのほうが有効だと私は考えています。

日本語で基本文法をしっかりと固めてから、会話力を伸ばしたいなら英会話、TOEICで点数を取りたいならTOEICの過去問や公式問題集、英検を取りたいなら英検の過去問をやればいい。

まずはベースの基本文法を身につけ、あとは伸ばしたいところにフォーカスして伸ばしていくというイメージです。

英語の勉強をするなら、まずは文法から

文法をしっかり押さえておけば、どんな状況でも言いたいことが“文章化”できます。あとは英作文などのトレーニングを積んで“瞬発力”を上げていけばいい。

ただ、そのベースとなる英文法がわかってないと、いざ英語で話さなければいけないときに、とっさの“瞬発力”が発揮できません。

たとえば陸上競技で速く走れるようになりたければ、まずは走る姿勢や腕の振り方、足の使い方などの基礎トレーニングを反復練習しますよね。基本ができていないのに、いきなり速く走ると体を痛めたり挫折したりします。それと同じです。

だから私は、「英語の勉強をするなら、まずは文法からやったほうがいい」と必ず助言しています。ただ、やはり文法と聞くとどうしてもお勉強感が出てしまい、あまりやろうとしない人が多いんですよね。