ゲームやスマホは禁止すべきか

もしゲームやスマホを楽しむことで勉強をがんばれるのなら、完全に禁止するよりは、約束をして使わせるのがおすすめです。

東北大学の研究によると、「1日のスマホ使用時間」と「学力」の関係を調べたところ、「まったく使わない子」よりも「1時間以内で使っている子」のほうが学力が高かったのです。1時間以上では長く使うほど学力が落ちています。1時間以内に終える子は、セルフコントロールができている子ということなのでしょう。

スマホを使うときはリビングでやらせる、勉強中は周りに置かないなど、メリハリをつける工夫も必要です。

家でスマホを見ている女の子
写真=iStock.com/Hakase_
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上位クラスの家庭では、スマホはもちろんテレビも見せていないという場合もあります。その一方で、クイズ番組などを親子で楽しんでいたというお子さんも多い。テレビもスマホもそれ自体が悪者ではありません。親も子も納得して無理せず続けられるやり方がいいでしょう。

教材やノートは捨てていいの?

たまっていく教材やノート、資料などは、「後で見返す」ことは実際はあまりありません。整理するのが大変なら、段ボールなどに順番に入れておくのでもよいと思います。捨ててしまってもよいのですが、受験直前に、取っておいた教材を積んでみると、「これまでこんなにがんばった」ということが子供にもわかりやすく伝わるので自信になると思います。

また、テキストには、どんどん書きこませてしまっていいと思います。「テキストの問題をノートに写して解く」という作業は小学生にとってはけっこうな負担です。写し間違えもあるし、時間ももったいない。

そのとき、できなかった問題には、問題番号にチェックをつけておくこと。見直すときに間違えた問題だけを効率的に学ぶことができます。

計算では「わり算」がポイント

まずは計算です。ただ、先取りするというよりは、今の学年の勉強がきちんとわかっているかが大切です。新4年生なら、3年生までに習った計算が素早く正確に解けるでしょうか。

塾に入ると単元はどんどん進んでいくので、計算をゆっくり授業でやる時間はあまりありません。計算が苦手な子は、毎日少しずつでもいいので習慣として計算練習をしましょう。計算力は算数のベースの力となります。

要注意なポイントは「わり算」がしっかり身についているかです。わり算は3年生で習いますが、きちんと意味を理解できていないままの子が結構いるのです。

実はわり算には2種類あります。

・100個のアメを5人で分けたらひとりあたりいくつになりますか
・100個のアメを5個ずつ分けたら何人に分けられますか

前の例では、「全体を等分する」という操作、後の例では「全体にある量がいくつ含まれるか」を求める作業です。この二つの場合にわり算を使うのだという感覚が身についていれば、例えば「100kmを2時間で走ると時速は何kmですか」と問われたときに、「100kmを2等分すればいい」から100÷2だ、といったように正しく式が立てられるのです。文章題では、わり算の理解が非常に大切になります。

慣れの問題なので、計算練習をこなして理解できればいいですし、苦手なようだったら実際に「52枚のトランプを3人で分ける(52÷3=17枚あまり1)」「100個のアメを5個ずつ袋に入れたら何袋できるかやってみる(100÷5=20袋)」など、日常のなかで取り入れてみればいいと思います。