合格の鍵は、勉強時間より「戦略」
高校に進学すると、いよいよ大学受験を意識し始めます。親戚に医療関係者が多かったことや、母と祖母が大病を患ったことなどから、小中学生のころから漠然と医師になりたいという気持ちを持っていました。
中学3年生のときに、若年性アルツハイマーをテーマとした映画『明日の記憶』を見て、難病の治療について考えさせられたのもきっかけの一つです。
医学部を目指すことを決め、そこから志望校の検討を始めました。東大医学部は、全国的に見ても比較的多くの研究費が割り当てられており、東大の付属病院では希少な症例の治療にも数多く取り組んでいます。
鉄緑会内のテスト結果から、「狙えるのでは?」と手応えを得てからは、最高の学びの場に身を置きたいという思いが現実的になり、東大理三を目指すことを決意しました。
ちなみに、鉄緑会内でどのくらいの位置にいるかが、合格確率の指標として最も正確だと思います。実際に私の代は東大理三の新入生100人のうち60人ほどが鉄緑会出身者でした。
志望校を決めてからは、東大理三に照準を合わせた戦略的な勉強を心がけました。
目標設定では、大目標・中目標・小目標を紙にプリントして張っていました。例えば、大目標「東大理三に現役合格する」、中目標「鉄緑会の塾内模試で全科目5位以内に入る」、小目標「毎週の復習テストで満点を狙う」というような感じです。そこから逆算して1日あたりのタスクをリストアップしていました。
さらに、東大理三に合格した人の「合格体験記」でおすすめされている参考書も書き出しました。塾の先生に「このなかだったら、どれがおすすめですか?」と相談して、ベストと思われる一冊を選ぶようにしました。
授業の内容だけでなく、勉強法についても先生たちにアドバイスを求めるのはとても有効だと思います。
「こういう計画で進めようと思いますが、過不足ありませんか?」
「暗記が苦手なのですが、世界史、日本史、地理のうち、一番覚えることが少ないのはどれですか?」
具体的に相談をし、効率的な勉強ができるようにと考えていました。
ちなみに、社会科で私が選択したのは地理。地理は実は暗記科目ではありません。自然、地形、気象の基礎知識があれば、論理的に考えることで類推できる部分が大きい。暗記が苦手な学生におすすめです。