積み重ねの重要性を痛感し、計画的な勉強にシフト
転機が訪れたのは6年生の秋ごろ。私は通っていた小学校から付属の中学校に進学するつもりだったのですが、中学受験をする友人たちも浜学園に通っていました。本気で勉強していた子たちから、成績のことでバカにされたことがあったのです。ここで、生来の負けん気に火がつきました。「なにクソ!」という気持ちで勉強に取り組み始めたのです。
ところが、いかんせん小学校生活のほとんどを遊びに費やしてきた私です。ちょっとやそっとがんばったところで、何年もコツコツと努力をしてきた子たちには追いつけるわけがありません。結果、クラスを四つほど上げることはできましたが、見返すことはできなかったのです。
後れを取り戻すのは、めちゃくちゃ大変! これは、身をもって痛感して得た教訓です。
「中学では絶対に後れを取らない! もう十分に遊んだ! これからはちゃんと勉強して負けない!」
そう自分で決めたことで、中学からは一転して計画的に勉強を進めるようになったのです。
中学入学と同時に、たまたまチラシをもらって、東大・京大・医学部受験専門塾の鉄緑会に入塾。実感したのは「授業を受けて、宿題をきちんとやる」という当たり前を続けていけば、必ず成績は伸びるということです。
入塾当時は最下位に近い成績でしたが、半年後のクラス分けでは上位のAクラスに入ることができました。さらに2年生では最上位のSAクラスにまで上がったのです。
中学受験をがんばった子たちは、希望する学校に入ったばかりで、1年生のうちはまだそれほど本気を出して勉強に打ち込んではいない時期。一方で、私は小学生のころの反省から、宿題やテスト直しはきちんとこなすようにしていましたが、それが功を奏したのだと思います。
それまでは別世界だと思っていた、灘や洛南の子たちとクラスメートとなったのも嬉しかったです。成績上位者として名前が発表されるようになると、そのポジションを死守したいというプライドが芽生えます。「クラスを落としたくない」という気持ちもモチベーションとなり、中高の6年間、中だるみをすることなく、勉強に取り組み続けることができました。
「サボれば落ちる。一度差がついたら取り返すのは大変」
小学生時代に味わった苦い経験のおかげで、慢心せずにすんだ、という面もあるかもしれません。やるべきことが残っている状態で遊ぶことへの気持ち悪さが生まれて、勉強を終えて思い切り遊ぶ習慣がつきました。