国民負担率にも換算されない「子ども・子育て支援金」

政府は、少子化対策の財源確保のために「子ども・子育て支援金制度」を創設し、2026年度から2028年度にかけて、1人あたり月額平均450円を、医療保険の保険料に上乗せして徴収することを決めました。

こども家庭庁によると、負担金の額は2028年度まで増え続け、年収600万円の会社員だと、2026年度は年7200円、2027年度は9600円、2028年度は1万2000円と、諸物価高騰のおり、家計には痛い出費となりそうです。しかも、あらかじめ使う目的があってこの額になっているのではなく、とりあえず“金を集めることを先に決めた”ようで、各方面から不満が噴出しています。

また、当初の予定が予定どおりにいかず、2倍、3倍の額が徴収されるのではないかという不安も出てきています。

さらに、2007年に「少子化担当大臣」というポストができてから、児童手当などの政府の家族関係の支出は増え続けています。ポスト創設前に比べると2倍になっているにもかかわらず、出生数は4割も減っているので、本当に効果があるのかという疑問の声も多く上がっています。その間、消費税は3%から10%まで上がっており、なぜこの収入で対応しないのかという声も聞かれます。

手をつないで歩く家族
写真=iStock.com/monzenmachi
※写真はイメージです

岸田前首相は、社会全体で子ども政策を進めるのだから「負担はゼロ」といい、実際に「子ども・子育て支援金」の各自への負担は、国民負担率にも加味されていません。ただ、これを“まやかし”だという批判も多くなっています。

医療保険料に上乗せされて徴収されていく「子ども・子育て支援金」は、まさに誰にもよくわからない「ステルス増税」のようなものと言えるでしょう。