「長く働け」改革は本当に優遇か

これらの制度改革に、私は一抹の懸念を抱いています。もちろん全体の方向性は高齢者への優遇措置として望ましい一方、こうした「高齢者層の長期勤労」を前提とした動きにはたして安定性や持続性はあるのでしょうか。

というのも、現在の日本人の平均寿命は80代ですが、健康寿命となるとひと回り下の70代となるからです。元気に働ける健康寿命は、思いのほか短いのです。