「そもそも、いまの政治のやり方で良いのだろうか?」
【じゅそうけん】たしかに、去年いちばん世の中に影響を与えた京大卒は石丸さんでしょうね。選挙でネットやSNSの活用が必須という流れを作ったのも絶対彼ですからね。
【鈴木】石丸さんを見ていると、「京大思考」あるいは「京大話法」の活かし方として、こういう解があるのかと驚かされます。
私は本の中で「京大話法」を「相手の話の前提や定義を問うたり、議論の立て方そのものを議論したりする話し方」と定義しました。そもそも論、といえば、聞こえはマシですが、実態は「堂々めぐり」です。
去年の都知事選では、石丸さんの質問に質問で返すなどの「かみ合わない」やりとりが「石丸構文」などと言われSNSで話題になりましたが、まさに典型的な「京大話法」だと思います。
一方で、石丸さんは「そもそも、いまの政治のやり方で良いのだろうか?」「そもそも、選挙の戦い方って、もっといろいろな方法があるんじゃないか?」と「そもそも」を問うたからこそ、いまの政治に漂う「閉塞感」を打ち破る存在として、多くの支持を集めたのではないでしょうか。
ついに、「京大思考」の時代がやって来た
また、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社)が「新書大賞2025」の大賞を受賞し、販売数20万部を超えるベストセラーとなりました。この本の著者、文芸評論家の三宅香帆さん(文学部卒、人間・環境学研究科博士前期課程修了)も京大出身者のロールモデルと言えるかもしれません。
書籍のタイトル「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」もまた「そもそも」を問う「京大思考」だと思います。
「働いていて忙しいんだから、本なんて読めなくて当たり前だろ」と普通なら思ってしまいますが、そこで一歩踏みとどまって、「そもそも、なぜ読めなくなるのか?」と掘り下げて考えられるのは、京大出身者ならではの強みです。
さまざまな価値観が変化しつつある時代だからこそ、「京大思考」のそもそも論が求められているのかもしれませんね。




