明治時代の文章を出題、途中式のメモ書きも採点対象

【鈴木】東大には「処理能力」は劣るんだけど、京大入試だったら解ける、逆に京大入試しか解けないみたいな人が多いので、すごく独特ですよね。話があんまり通じないというか、自分が心から腹落ちできないと納得しない。

でも、東大型の入試をやっていたら、大学側が求める生徒はとれないのかもしれないですね。

ちょっと前までは、「擬古文」という、明治期の文章を出題していました。あれは典型で、得意不得意が激しい。

鈴木洋仁さん
撮影=プレジデントオンライン編集部
京大思考』(宝島社新書)を書いた鈴木洋仁さん

また、数学では下書きまで採点しているといわれています。「計算用ページ」や「余白ページ」に書いた計算式なども見るから、最終的な答えが間違っていても、考え方が合っていたらプラスもするという採点方法です。

「処理能力」が早い人は東大にいってしまうから、残った人の中からどういう人をとるか、みたいな部分はあると思いますね。

【じゅそうけん】なるほど。すごく納得しました。

外資コンサル「京大生の採用が難しい」の真相

【鈴木】話を戻すと、「競争よりも、のびのびしたい」という人が京大に入るから、就職もそんなに……なんだと思います。

「鴨川芸」も好きでというより、もう仕方がないという感じだと思うんですよね。それしか行き場がないというか。

おそらく早稲田の場合、高田馬場のロータリーでたむろしている学生は、やろうと思えば、「他もゲットできる人」だと思うんですよ。

ちゃんと「就職戦線に行こう」と思えばできるし、それなりに適応できるけど、ある種逆張りみたいな思考の人が多いのではないでしょうか。

一方で京大の場合は、選択肢がなくてやむを得ず「鴨川芸」に行き着いている人がほとんどかと。器用な人は本当にいないですね。

【じゅそうけん】元マッキンゼーで採用マネジャーをされていた伊賀泰代さんの著書『採用基準』(ダイヤモンド社)には、「京都大学からの採用が難しい」という記述がありました。

外資の採用基準にあまりにも京大生が合わなくて、だから知的能力では劣るはずの早慶の学生を沢山とっているのかもしれません。

拙著『受験天才列伝』(星海社新書)に収録している高学歴アイドル「学歴の暴力」との対談でも東大卒メンバーの「なつぴなつ」さんと京大卒の「あろえあろ」さんとでは対照的でした。

「なつぴなつ」さんは東大のブランドを使ってアイドルになるために東大に行っていますが、「あろえあろ」さんはなんとなく京大に行き着いている。

やっぱり東大は「とりに行く」という意識があるんですよね。

東大の文系は民間就活も慶應並みに熱心ですし、「東大ブランド」をウリにした起業も多いです。