就職実績は慶應のほうが良い?

【じゅそうけん】すごく面白いと思うのが、日本トップクラスの学力を入学時点で持っているにもかかわらず、実は就職先はめちゃくちゃ強いというわけではないんですよね。おそらく慶應のほうがちょっといいんですよ。

特にいわゆる「就職難易度」で最高峰といわれる外資系の投資銀行やコンサルティング会社には、京大からあまり行かないと思います。

慶応義塾大学三田キャンパス東館正面に刻まれたロゴと文字「Homo nec ullus cuiquam praepositus nec subditus creatur」
じゅそうけん伊藤さんによると、就職先は京大より慶應のほうがちょっといい(写真=塾生/GFDL/Wikimedia Commons

JR西日本とか関西電力など手堅いJTC(伝統的な日本企業)は多いですけど、やっぱり資本主義的な「レース」から遠いところにいるというか。

【鈴木】大阪市役所とか関西の地方公務員も多いです。資本主義を嫌っているムードもあるからなぁ。ガツガツするのがダサいみたいな。

【じゅそうけん】最近、京大界隈で、「鴨川芸」という言葉があるんですよ。

【鈴木】一体なんですか……それは。

【じゅそうけん】世間でイメージされる「いかにもな京大生」を演じている人たちっているじゃないですか。

あえてインターンに行かず就職活動のレールに乗らないとか、留年を重ねていることをネットで自慢するみたいな。さながら「京大芸」ともいえるそれを、京大生がよくたむろしている鴨川にちなんで「鴨川芸」と言って、意識の高い「就活界隈」から揶揄されていたりするんですよ。

私は、Xで「就活界隈」の投稿もチェックしてるんですが、一部の意識が高い「“慶應的な価値観”で生きている京大生」といかにもな「“鴨川系”京大生」が対立しているのが散見されますね。

「ガツガツしている人」は東大を目指す

【鈴木】なるほど、鴨川芸……。それはいい言葉ですね。さすがのネーミングセンス(笑)

昔から鴨川でたむろしている京大生は揶揄される存在でありましたが、いまは「鴨川芸」という言葉がちゃんとあるんですね。

「ニワトリが先か、卵が先か」ですけど、受験勉強自体がすごく好きなガツガツしている人はやっぱり東大を目指すんですよ。

京大に入るのは、東大じゃなくて「あえて」みたいなことを考えるか、関西の学生であれば「東京に行くのが面倒くさい」という人が多いように感じます。

【じゅそうけん】入試問題の性質もあるかもしれません。東大は歴史的に官僚養成機関としての側面があったので、入試でも「処理能力」が求められます。制限時間も厳しいし、それこそ名門塾のサピックス、鉄緑会ルートの人が有利になっている。

一方、京大は「思考力」が求められる側面が強いから、本当に地頭のいい「田舎の神童」みたいな人が受かったりします。