「離婚を決めたのは自分だから頑張る」はかえって危険

日本の女性の平均寿命が87.14歳で、これからも更に寿命が延びると言われている中で、アラフィフ女性の人生はこれから40年、下手すると50年以上続くと言われている。夫婦が一緒に居るがためにいさかいが絶えないのだとしたら、「幸せのため、離婚する」はこの後ももっと自然な選択になってくると思う。

そして、私自身、「子どもにとっての養育者が幸せそうである」ということが、無理やり夫婦が一緒に居ることより重要であると、長年の子育てを通じて実感している。ただ、その選択を本当に幸せな結果に導くためにも、ご自身の心のケアだけは十分にしてほしいだけだ。カウンセラーを付けるも良し、友人に語るも良し、ぐうたらな時間を作るも良し、頼れる場所を作るも良し。「離婚を決めたのは私なのだから、私が頑張ればなんとかなる」は、危険思想であると心からお伝えしたい。

「幸せ」とは、虚勢の果てに得るものではなく、毎日の平凡な営みの中にご褒美のように降ってくるものだと最近しみじみ思う。

そして、今年再出発した彼女たちや、同じように幸せ方向に舵を切った女性たちに多くの幸せが降りますように、と願っている。

川崎 貴子(かわさき・たかこ)
リントス代表取締役

1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社・ジョヤンテを設立。2016年より、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。著書に『我がおっぱいに未練なし』『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』など。■川崎貴子のカウンセリングルーム