「離婚後の家族は新しい形に…」と「円満離婚」をアピール
ところが、一般人男性と結婚した女性芸能人の場合、その夫は文春にマークされない。○○の夫より、有名人そのものを張り込んでいた方が、ニュースバリューがあるからだ。だから、たとえ夫が有責な離婚であっても表に出ることは少ない。勘違いしないでほしいのだが、私は何も、今年離婚した女性芸能人の夫の誰かが浮気をしていたとか、悪事に手を染めていたと言いたいわけではない。
前述した4名があまりにも、
「このたび夫婦で話し合って、新しいパートナーシップの形として離婚という選択をすることにしました。これからも二人で子どもを大切にしていく所存です。未来ある決断です」
と、全く同じような内容のキラキラした「離婚のお知らせ」を発表したため、その裏にいったいどれだけの夫婦のいざこざ、葛藤があったのか? それを想像するだけで「女はつらいよ」と同情を禁じえなかったからのだ。
特に彼女たちは2人から3人、複数の子どもを持つ母親である。子どもたちの為に離婚を思いとどまろうとしたことは何度もあったことだろう。そして、自身の仕事のためにも、何より子どもたちのために、たとえ夫が有責であったとしてもそれを匂わすことは絶対に避けなければならない。
一般女性は夫に浮気されても「子どもがいるから」と踏み出せない
だからこそのこの「定型文」になるわけだが、彼女たちが一人で背負うのは「やっぱりね」「離婚すると思った」「そもそも男を見る目がない」「子どもがいるのに離婚するなんて」などなどの、自己責任論である。よってタイミングを計り、離婚理由に言及せず、さらっと目立たぬように離婚発表を済ますのは当然のことだと言える。
私がどうしてこの件に注目しているかと言えば、これは女性芸能人に限らない、一般の女性にも該当する大きな人生の選択だから。
私の所へ相談に来る女性たちは「子どもがいるから」「世間体が悪いから」「食べていけないから」等で、夫有責、もしくは夫婦が事実上破綻している状態にもかかわらず、離婚を踏みとどまっている人が多い。中にはすぱっと離婚して晴れやかに新生活をスタートしている人もいるが、幸せそうな人と自己責任論に押しつぶされそうになっている人たちがいる。
SNSを見ていても、インスタグラマーやブロガー、フォロー数が少ない発信者含めて、匿名の人たちは夫や元夫への文句を書いているが、実名や名が売れている人たちは離婚した女性芸能人たちと同じように「円満離婚」を謳っている。そして、何を隠そう、私自身が、18年前に同じことを経験している。