魅力が魅力でなくなる時
しかし、一度腹をくくると行動は速いバブル娘。数日間で家出と引っ越しを決行したのはあっぱれです。
彼女が次に、社会的成功を収めた年上男性に惹かれるのもよくわかります。事業を立ち上げ軌道に乗せたとはいえ、女ひとりで会社を続けるのは、とても心細いもの。相談に乗りアドバイスをくれる経験豊富な先輩がそばに居てくれれば、それは頼もしく心強い存在だと思います。
けれど、老いは残酷です。
そして年上男性の魅力であった「知識と経験」も、研鑽を積んだ女性はやがて追いつき、それは魅力でなくなるのです。
A氏とのデートはいつも高級店で、彼の奢り。
金払いの良さが魅力だった年上男性との交際。それが破局にいたったのは、彼が放った驚きの一言だったのです。
そしてこのあと、彼女に人生で三度目の大きな転換が訪れることに!
(年上実業家の驚愕の一言、そして「やっぱりそこか……」の最終回へつづく)
1957年徳島県生まれ。お茶の水女子大学卒。1979年漫画家デビュー。あらゆる世代の恋愛をテーマにして『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』『同窓生 人は、三度、恋をする』など多くの作品を発表している。エッセイ集も多く『恋愛論』『ぶつぞう入門』『柴門ふみの解剖恋愛図鑑』『大人恋愛塾』など。