運動不足を解消するには1日8000歩、週2回歩く

運動不足解消には、有酸素運動によって、酸素とともに、糖質、脂肪を消費するのがよい。一番手軽なのはウォーキングである。歩数計をつけて歩いている人も少なくない。

黒木登志夫『死ぬということ』(中公新書)
黒木登志夫『死ぬということ』(中公新書)

週に何回どのくらいの歩数を歩けば、死亡率を下げることができるであろうか。日本を含む15の研究(対象4万7500人)をメタ分析したところ、次のような結果が出た。

・60歳以上:1日6000歩から8000歩歩くと、7年後の死亡率が低い。それ以上歩いても効果は増えない。
・60歳未満:1日8000歩から1万歩歩くと、7年後の死亡率が低い。

さらに、京都大学の井上浩輔は、カリフォルニア大学と共同で、1日8000歩を週に何回歩けばよいかを検討した。その結果、週に2日歩けば十分効果が得られることがわかった。

公園でジョギングするスポーツウェアを着たシニアの日本人夫婦
写真=iStock.com/paylessimages
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黒木 登志夫(くろき・としお)
東京大学名誉教授

1936年生まれの「末期高齢者」(88歳)、東京生まれ、開成高校卒。1960年東北大学医学部卒業。3カ国(日米仏)の5つの研究所でがんの基礎研究をおこなう(東北大学、東京大学、ウィスコンシン大学、WHO国際がん研究機関、昭和大学)。しかし、患者さんを治したことのない「経験なき医師団」。日本癌学会会長、岐阜大学学長を経て、現在日本学術振興会学術システム研究センター顧問。著書に『健康・老化・寿命』、『知的文章とプレゼンテーション』『研究不正』『新型コロナの科学』『変異ウィルスとの闘い』(いずれも中公新書)など。