セオリーを徹底すれば成長投資枠で投資するのも選択肢

このようなタイミングでの具体的な投資の方法としては、つみたて投資枠での積立額を増やすのも1つの方法です。

深野康彦『出遅れた投資初心者のための 資産ゼロからの新NISA入門』(プレジデント社)
深野康彦『出遅れた投資初心者のための 資産ゼロからの新NISA入門』(プレジデント社)

また、成長投資枠を利用した投資も考えられます。成長投資枠は、つみたて投資枠より商品の選択肢が広いなどの魅力があります。〈まとまった資金を投資したい人〉〈積み立て投資をしながら単発での投資もしてみたい人〉などは、成長投資枠での投資を検討するとよさそうです。

また、自身の年収が多い人、共働きで世帯年収が多い人、相続などでまとまった資金を持っている人など、〈年間120万円以上投資できる人〉もいるでしょう。ただし、投資は余裕資金で行うべきものであり、10年程度、使わなくて済むお金を投資するのがセオリーです。

住宅購入の予定があるなら頭金や購入時にかかる費用、子どもがいるなら将来かかる教育費(具体的には大学でかかる費用)は投資で増やすことより、安全性を最優先して預貯金などに預けるのが適しています。

それは値動きが大きい今だけでなく、どんなときにでも、その原則を守る必要があります。

成長投資枠でも投信の積み立て購入ができる

成長投資枠では株式や投信をスポット的に投資するするイメージがありますが、ネット証券などでは、成長投資枠で投信の積み立て投資ができます。

購入できる投信は、信託期間が無期限もしくは20年以上、毎月分配型ではない、高レバレッジ型ではない(市場より激しい値動きをする商品ではない)などの条件を満たす商品です。取扱商品は金融機関によって異なりますが、主要なネット証券ではかなり品ぞろえが豊富です。

ちなみに、毎月分配型が排除されているのは、NISAは長期での資産形成を目的とした制度だからです。

分配金が毎月払い出されるのは、資産を運用しながら一部を使っていく、というニーズ(おもにリタイア層)には便利ですが、運用によって得られた利益がさらに運用されて利益を生む、といった複利効果が得にくく、長期で資産を増やす目的には合わないのです。