首のまわりがこると心の不安感が増大

Q:首まわりのこりを解消するにはどうしたらいいですか?

→お答えしましょう!
首の後ろのツボを押して筋肉をほぐし血流を促しましょう。
姿勢の悪さや運動不足にも注意を。

小林弘幸『なんとなくだるい、疲れやすいを解消する! 自律神経について小林弘幸先生に聞いてみた』(Gakken)
小林弘幸『なんとなくだるい、疲れやすいを解消する! 自律神経について小林弘幸先生に聞いてみた』(Gakken)

首の筋肉がこって悩んでいる人は、意外に多いはずです。首の筋肉がこると、全身の血流が悪くなり、自律神経に関係する「迷走神経」や「「星状神経節せいじょうしんけいせつ」の働きも低下してしまいます。

迷走神経は副交感神経の線維からできていて、内臓の働きを左右する重要な神経です。首の付け根にある星状神経節も、頭や首、肩などの血液の流れをコントロールしているので、どちらの働きも悪くなると、内臓機能の低下だけではなく、心の不安感も増大させてしまいます。

この状態を改善するには、副交感神経の働きを高める必要があります。リラックスするのが一番ですが、何かとストレスがたまる現代社会では、普段の生活でも交感神経が優位になりがちな状態にあります。

首の筋肉をほぐすと血流もアップ

そこで、首まわりの筋肉をほぐし、血行をよくしましょう。日頃から首の付け根をほぐすことを習慣づければ、副交感神経の働きも高まります(図表2参照)。

また、首全体をホットタオルなどで温めると、迷走神経や首のツボをほぐす効果があり、自律神経のバランスが崩れたことで起こる心身の不調や悪化した腸内環境の改善にもつながります。

首回りのツボを押して副交感神経の働きを高めよう
首の後ろ側の外側から中心に向かって並んでいるツボを、両手の親指で首筋に沿って少しずつ下の方向へずらしながら押していく。こうすることで副交感神経の働きが高まり、血行もよくなる。

ポイント
ツボを押すときはあまり強い力を入れず、心地よく感じるレベルを意識しよう。

小林 弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授

1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授などを歴任。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも携わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”としても有名。近著に『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)、『名医が実践! 心と体の免疫力を高める最強習慣』『腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず 免疫力が10割』(ともにプレジデント社)『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)。新型コロナウイルス感染症への適切な対応をサポートするために、感染・重症化リスクを判定する検査をエムスリー社と開発。