手っ取り早いのは本業関連の副業

では、どんな副業ならやってもいいのか。

私は20年以上前から、どうせ副業をするなら、趣味や特技など本業以外のことをしましょうと、ずっと言ってきました。しかし長く指導していると、やはり本業関連がいちばん手っ取り早い。趣味や特技では、それなりにスキルがないと、なかなかビジネスとして成り立ちません。

その点、本業でやっていることは、もともとビジネスでやっていることですから、お金のとれるレベルにはあります。会社の守秘義務や業務のバッティングなどに気をつける必要はありますが、そこさえうまくクリアできれば、やはり本業をうまく生かすのが、いちばん効率的でしょう。

そのためには、まず本業を見直してみる。自分の持っているスキルを、自社以外で役立てられるところはないか、と発想を変えることです。私に相談される方も皆さん「自分はあまりキャリアがない」「自分の会社の仕事はよそで応用がきかない」とおっしゃいますが、よくよく話を聞いてみると、そんなことはありません。

プログラミングの仕事をする人
写真=iStock.com/metamorworks
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自分の立ち位置を変えると意外に高く評価される

たいていの人は限られたコミュニティにいるので、つい自分のことを過小評価しがちです。でも世の中は広いので、たとえば大企業の人が中小企業に目を向ける、都会で働く人が地方に目を向けるといった形で、自分の立ち位置を変えると、意外に高く評価されて、びっくりするようなお金になることがあるのです。

ある大手住宅メーカーの営業の人が、中小企業に目を向けて成功した事例をご紹介しましょう。その方は営業成績もいいのに、自分なんて外部に評価されるレベルではないです、とおっしゃる。でも大手住宅メーカーの営業の人のスキルは、その会社でナンバー10に入らなくても、業界全体で見ると相当高いレベルにあります。そこで、その方は営業コンサルタントとして中小企業向けに、そのノウハウを伝える講師としてセミナーを行ったら大盛況。非常に成功しました。

また地方に目を向けて成功した事例もあります。都心で大手メーカーのリサーチャーをしている人が、実家のある町の地域おこし事業に呼ばれて、自分のリサーチングスキルを生かして集客の提案をしたら、すごく喜ばれたと。それで今は、地域おこしのリサーチャーとして、他の地域でも活躍しています。