暴れん坊大名らしからぬ優雅な一日のルーティーン

「表」から「奥」へ入り、夕食を食べる。その後、閑所に行き、夜の行水(入浴)タイム。夜は、本を読んだり、和歌を詠んだり、リラックスした時を過ごすこともあったようである。これが、伊達政宗の日々ルーティーンである。大名には、一日の予定が大体決められており、それに従い行動しなければならなかった。窮屈な生活かもしれないが、それも「ノブレス・オブリージュ」(貴族や上流階級に生まれたものは、社会に対して果たすべき責任が重くなるという格言)だと思えば致し方ないだろう。

「独眼竜政宗」と言うと、猛々しい暴れん坊大名のイメージがあるかもしれないが、それとはだいぶ異なる政宗の日常生活であった。

濱田 浩一郎(はまだ・こういちろう)
作家

1983年生まれ、兵庫県相生市出身。歴史学者、作家、評論家。姫路日ノ本短期大学・姫路獨協大学講師を経て、現在は大阪観光大学観光学研究所客員研究員。著書に『播磨赤松一族』(新人物往来社)、『超口語訳 方丈記』(彩図社文庫)、『日本人はこうして戦争をしてきた』(青林堂)、『昔とはここまで違う!歴史教科書の新常識』(彩図社)など。近著は『北条義時 鎌倉幕府を乗っ取った武将の真実』(星海社新書)。