常に孤独を感じる人が約550万人
日本では、2021年2月より孤独・孤立対策担当大臣が任命され、政府として孤独・孤立の問題に対応しています。この背景には、コロナウイルスの感染拡大によって人々の交流が制限され、孤独・孤立に陥る人が増えたのではないかと考えられたためでした。
政府では孤独・孤立に陥る人の現状を把握するためにも、2022年に全国の16歳以上の2万人を対象とした調査を行っています(*4)。この調査から、日本ではどのような人が孤独・孤立に陥っているのかを見ていきたいと思います。
調査では孤独に関して、「あなたはどの程度、孤独であると感じることがありますか」という質問を用いています。この質問に対して「しばしばある・常にある」と回答した割合は、全体で4.9%でした。
常に孤独を感じているのは、全体の約5%というわけですが、日本の2022年の16歳以上人口は約1億900万人であり(*5)、この5%となると、約550万人です。これは無視できない数だといえるでしょう。
中年男性と若年女性の孤独感
次に年齢別に孤独の状況を見ると、意外な結果が見えてきます。年齢別で常に孤独を感じている割合が高かったのは、30代(7.2%)、次いで20代(7.1%)でした。2022年と言えばコロナの影響もまだ無視できない状況でしたが、若年層ほど孤独を感じていたわけです。
ただし、男女別に分けると、また別な姿が見えてきます。男性の中で常に孤独を感じている割合が最も高かったのは、50代(7.3%)でした。
中年男性は、孤独を感じやすいというわけです。
これに対して女性の場合、常に孤独を感じている割合が最も高かったのは、30代(7.9%)でした。女性では20代の値も高く(7.1%)、男性よりも相対的に若い年齢層で孤独感が高くなる傾向があります。