学校に行きたくないという子どもとの会話
子「お母さん……。私、もう学校に行きたくない」
母「えっ、なんで、行きたくないの⁉」
子「私、学校で仲間外れにされてるんだ……」
母「え─‼ いじめられてるってこと⁉ なんでそんなことになったのよ! 許せない‼ 担任の先生に言わないと! お母さん、学校に行ってくる!」
子「え─‼」
ケース3の改善例
子「お母さん……。私、もう学校に行きたくない」
母「そうなの、行きたくないの……。何か学校でつらいことでもあったのかな」
子「私、学校で仲間外れにされてるんだ……」
母「(少し低めの声で、ゆっくりと穏やかなやさしい口調で)そうか。それはつらいわね……。ありがとう。よく話してくれたね」
子どもから「もう学校に行きたくない」「仲間外れにされてる」「いじめられている」などと打ち明けられると、親としてはうろたえたり不安になったりしがちです。ですが、親が「なんでそんなことになったのよ!」とオロオロしたり問いつめたりしてしまうと、子どもはますます不安になってしまいます。
せっかく勇気を出して相談したのに、その気持ちを受け止めてもらえず、大騒ぎされると、「二度と話すもんか!」とこころを閉ざしてしまいがちです。最悪のケースでは、親が知らないまま、いじめが原因で自殺、といったことにもなりかねません。
子どもから悩みを打ち明けられて、親である自分の気持ちが不安で波立ってしまったら、フーッと深呼吸でもして、気持ちを落ち着かせましょう。
親自身が、穏やかな気持ちに自分を整えて、安定した構えで聞くことが大事です。そして、子どもが勇気を出して打ち明けてくれたことをねぎらってほしいのです。これが一番大事なことです。
絶対に親が口にしてはいけない言葉
子どもから「いじめを受けている」と告白をされたときに、親としては絶対に言ってはいけない3つの言葉があります。
「あなたがもっと強くなればいいでしょ」
「そんなことくらい、気にしないようにしなさい」
これらの言葉は、つらく苦しい気持ちになっている子どもをますます追い詰めてしまいます。もう誰にも助けを求めることはできないと、絶望感でいっぱいになるでしょう。
特に、「あなたにも悪いところがある」と言われてしまうと、子どもは「私(僕)なんかいじめられてもしょうがないんだ……」という気持ちになります。「どんなにいじめを受けても仕方のない存在なんだ」と自己否定感が強まってしまいます。