離婚回避のために夫にお願いしたこと
そこで、「私が帰ったらとにかく荷物を受け取りに来ること」を、夫にお願いしてルールにしました。私が帰ってきて「ただいま」というと、夫はすぐに玄関まで飛んできてくれます。その姿を見ると、「この家族のために買い物して帰ってきてよかった」と思う。
そうしてみて、改めてこれが私の家族愛ポイントだとわかりました。初めはルールにしても、そのうち自然にやってくれるようになって、そうすると愛おしく感じるものですよ。
ぜひ、自分がイラッとするポイントを探してみてください。そのポイントは、自分が思っている1つ前にあることも多いんです。
家に帰って部屋に入ったら脱ぎ捨てたものや飲みかけのコップが置いてあって、のうのうとしている夫の姿を見れば「この人がだらしないから腹が立つ!」と思ったりするけれど、実はイラッとしているポイントは、1つ前の玄関に出迎えてくれず、自分を思いやってくれないことに傷ついているからだったりします。自分が何にイラッとしているのかを分析して、そのポイントを見つけて、夫がやってくれないと困るもの、または夫がやってくれると夫のポイントが上がることはルールにしてみて。
ルールにするときは、「それが正しいから」「そうするべきだから」「そうしないと腹が立つから」なんて言い方をせずに、「そうしてくれると嬉しいわ」とポジティブな言い方でお願いしてくださいね。そのほうが相手も気持ちいいはず。
イライラすることは、システム化やルール化することで解消し、幸せのポイントを貯めていくこと。感性の真逆な男女=夫婦は、そうでもしないとつらいばかりになってしまいます。
1959年、長野県生まれ。人工知能研究者、脳科学コメンテイター、感性アナリスト、随筆家。奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピュータメーカーでAI(人工知能)開発に携わり、脳とことばの研究を始める。1991年に全国の原子力発電所で稼働した、“世界初”と言われた日本語対話型コンピュータを開発。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。近著に『共感障害』(新潮社)、『人間のトリセツ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』(講談社)など多数。