子供に動画を見せすぎではないかと悩む親は多い。だが、心理カウンセラーの下園壮太さんは「子供が大喜びで見て、お母さんがその間は休めるなら、メンタルヘルス的には好ましいとも言える。私たち大人は全員“時代遅れ”になっていることに気づいたほうがいい」という――。

※本稿は、下園壮太(著)、ひえじまゆりこ(イラスト)『ワーママが無理ゲーすぎてメンタルがやばいのでカウンセラーの先生に聞いてみた。』(時事通信社)の一部を再編集したものです。

育児に疲れている母親
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誰でも疲れていれば怒りっぽくなる

Q 本当はもっとニコニコして子どもや夫に接したいのに、時間に追われ、怒ってばかりいます。

A 「怒りのケア」の基本を押さえておきましょう。

この方のお悩みの本質は、「ニコニコできない、怒ってばかりいる自分ではダメだ」と思っているのに、怒ってしまう、怒りが止められない……という負のサイクルに入り込んでしまっていることです。

基本のメカニズム(本書の「STEP1」)でもお話ししましたが、人は弱ってくればくるほど、感情がたくさん出ます。だれでも疲れていれば、怒りっぽくなり、許容範囲が狭くなります。弱い自分を守ろうとするんですね。

これは本能ですから、いくら理性でコントロールしようとしても無理があります。それなのに「怒ってはダメ」と押さえつけようとするから、できない自分を責めてしまうし、そのせいで消耗して、さらに怒りが大きくなっていってしまうわけです。

怒りが生じても、人に当たらなければ上出来

子育て戦場ですでに疲れているママたちが、イライラしないでいる、怒らないでいるというのも、ハッキリ言って無理があります。相談者の方は、まずは怒ってしまう自分自身を、「仕方ないよね」「そうなるよね」と、自分で認めてあげてください。

とは言え、子どもや家族に当たってしまうのは、本人もつらいもの。相手を傷つけて現実のトラブルにもなりがちです。

そこで「怒りのケア」のゴール(目標・期待値)を変えてみましょう。

この方の場合、実行可能で有効な目標は、「怒りを現実のトラブルに発展させない」、すなわち「子どもや夫に当たらないようにする」ではないでしょうか。「怒りの感情を持たない」という目標は理想ですが、それは今は無理で、非現実的な目標です。期待値を下げましょう。怒りが生じても、人に当たらないようにできれば、子育て戦場にあっては上出来です。そしてそれならなんとか実行できそうです。

方法としては、次の2つです。