カード以外は使わなかった

今回、3年ぶりに欧州を訪ねてみて感じたのは、キャッシュレス化が一層進んでいるということです。日本でも最近は交通系ICカードやQRコード決済などでのキャッシュレス化は進んでいますが、フランスではかなり小さなお店や屋台のようなところでもカード決済ができましたので、クレジットカード以外はまったく使いませんでした。

私はもう10年ぐらい前から海外に行くときにお金を両替することはほとんどしていません。最悪のことを考えてドルやユーロを1万円分ぐらいは持って行きますが、あとは基本、現地での支払いは全てカードを使っています。また、現地でどうしても現金が必要になった場合はATMでキャッシングをしています。その方が成田や羽田の窓口で両替するよりもレートが有利だからです。

タクシーも全てカードで、これはパリだけではなく、ボルドーから車で2時間以上もかかる田舎の村でもタクシーは全てカード決済でした。どこのお店でも小型の端末を持ってきてテーブルチェックをしますから、実に手軽で便利になったものです。

タッチ決済でお会計する手元
写真=iStock.com/Ridofranz
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カード決済は円かユーロか

ただ、海外でクレジットカード決済するときに注意すべきことがあります。それは決済通貨をどれにするか? ということです。前述のようにお店では支払いの際に小型の携帯型端末を持ってきます。タッチ型か差し込み型かの違いはありますが、いずれもカードで支払うことになります。

そしてその際、携帯型端末にどの通貨で決済するかが表示されます。ユーロ圏で言えば、ユーロか円かどちらかを選ぶようになっているのです。ユーロにした場合はカード会社が決めたレートで換算されますから、支払いの時点での円金額はわかりません。一方円払いにすると金額が表示されているので、いくら支払うかの金額が円で確定します。その方が安心だと思う人が多いでしょうし、何よりも「円」と「ユーロ」のどちらを選ぶか? と聞かれたら、安心感から瞬間の判断としては「円」を選びたくなるでしょう。でもここに実はちょっとした落とし穴が潜んでいるのです。

通常カードで買い物をした場合の支払い金額は「利用金額(ユーロ)×為替レート(円・ユーロ)×海外手数料」で総額が決まります。この場合の海外手数料はカード会社によって異なりますが、おおよそ1.6~2.5%程度の範囲内になります。これは外貨決済で支払った場合の話です。