今すべきは情報収集

仕事、子育て、日々の生活に追われ、オムツを替えながら、宿題を見ながら、生ゴミを捨てる生活を送りながら、現在進行形で「緊急でない重要なこと」を「今」考えて話すのがつらいのよ。それが「夫婦関係の壁」を巨大化させないために重要だとわかっていたとしても、できない。そんな夫婦も多いと思います。

それなら「今」は、石を細かく取り除き「夫婦関係の壁」の巨大化を防ぎながら、夫婦関係の方向性を見つけるための情報収集期間(モラトリアム)にしたらいいのではないでしょうか。

石の壁
写真=iStock.com/Turnervisual
※写真はイメージです

「こんな夫婦でありたい」と、記念日にワインでも飲みながら夫婦で話せたらいいけれど、家事・育児・仕事に翻弄ほんろうされていて、そんな余裕なんてない。「日々の生活に追われていて、子どものこと以外話すことなんて特にない。2人で何話そう?」と思っている夫婦もたくさんいますよね。そんな時期は、お互いの情報を収集する「モラトリアム」だと考えればいいのです。

尾石晴『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
尾石晴『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

【夫婦のモラトリアム的過ごし方】
・石は言葉にしてみる(違和感やズレは、とりあえず書いて外に出す、ためない)。
・時々石を取り除く(夫婦で移動中や週末に一番気になっていることを話してみる、LINEで伝えてみる)。
・壁を巨大化させないための情報収集をする(例:お互いの両親の好きなところ、嫌いなところを紹介し合う。お互いの理想の夫婦像がよくわかる)。
・「子どもが巣立った後、どんな夫婦でいたいのか」を、今はストレートに話せなくてもいい。だって、モラトリアムだから。

なるべく壁を巨大化させない、石を増やさないことに目を向ける。とりあえずそこに集中すればいいと考えると、少し気が楽になりませんか?

尾石 晴(おいし・はる)
Voicyパーソナリティ

外資系メーカーに16年勤務し、うち6年は管理職として活躍。長時間労働が当たり前の中、「分解思考」で時間を捻出。ワンオペ育児をこなしながら残業0時間を達成し、チームを社内表彰に導く。その傍ら、発信業・不動産賃貸業・ヨガインストラクター、メンタルオーガナイザー、ライフオーガナイザーなど、会社員以外での収入経路を次々と確保。2020年4月に会社員を卒業。音声メディア「voicy」では1000万回再生超えを記録し、トップパーソナリティとして活躍中。2020年にはヨガスタジオ「ポスパムfukuokaスタジオ」を立ち上げ、代表を務める。2児の母。著書に『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』(実業之日本社)、『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。