子どもがいる家庭は石の発生率が多い

他人同士が夫婦になる。子どもが生まれて家族になる。そのたびに1人から2人、2人から3人、3人から4人の関係性へと移行し、十数年後にまた2人の関係性に戻る。

関係性が変化すると、一時的に不安定になるし、不安にもなります。そのたびに、石は少しずつ積み上がっていく。

特に子どもがいる家庭は、石の発生確率が、夫婦2人の時期と比べて圧倒的に多いです。出産や育児など、夫婦ともにはじめての出来事も多いし、乗り越え方も「これでいいのかな」と手探り。

前述の「子育ての壁」を、手を取り合って一緒に乗り越えてきた夫婦と、当事者意識が大きくずれていた夫婦では、壁の厚さは確実に違いますよね。

日々のメンテナンスが大事

夫婦で、石の発生にどう対峙たいじしたかは、その後の夫婦関係にも大きく響いてきます(実際、60歳前後の方からのお悩みも質問箱に飛び込んでくる)。日々細かなメンテナンスをして、壁になる前に石を取り除いておくことが大事です。

理想は、「緊急でない重要なこと」にちゃんと夫婦で向き合うこと。具体的には、理想の夫婦像、家族のミッション・ビジョン・バリューの作成に取り組むこと。特にお互いの理想の夫婦像を知っておくと、今後の方向性が見えてきていいですよね。

しかし、「40歳の壁」にぶつかる年代は、「緊急だが重要ではないこと」(掃除・洗濯・買い物・料理・家計・育児・介護・健康管理・親族間の交流など、毎日の細かなタスク)が多すぎる時期です(図表2)。

これらをこなしながら、「緊急で重要なこと」(子どもの病気対応や家族のスケジュール調整など)まで対応していたら、「緊急ではないが重要なこと」(理想の夫婦像、家族のミッション・ビジョン・バリュー作成など)は、ついつい後回しになりがち。じゃあ、そんな夫婦は終わっているのか? といったら、そうでもないはず。