給与交渉で100万円近く差が出ることも

2.給与に関して決定権を持つ人物を見極める

これは特に給与に関して個人の裁量がそれなりに大きい外資系企業の場合に言えることです。採用プロセスの中で複数回行われる面接で何人もの面接官と話す機会がありますが、どの面接官が自分の給与に関する決定権を持っているかを見極め、その面接官に良い印象を持ってもらえるような面接ができれば、内定の際の給与交渉もスムーズに進む可能性が高まります。

この見極めについても、各組織の体制や内部情報をわかっている必要があるので、プロである転職エージェントに助言を求めるのが吉です。面接官のクセや、企業ごとによく聞かれる項目、すなわち“過去問”を共有してもらえる場合もあります。

3.内定後の給与交渉

新卒採用と中途採用における給与システムの大きな違いに、交渉可能な点があります。この交渉によって、100万円近い年収の差が生まれることも少なくありません。しかし、皆さんの方から提示する額はそれなりの根拠に基づいたものでないと受け入れてもらえないことも事実です。交渉材料の代表的なものとしては、他社からの内定や、カウンターオファーと呼ばれる現在の会社からの引き留め交渉が挙げられます。

茶封筒から取り出した給与明細
写真=iStock.com/laymul
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他社の内定を交渉材料として使うには、前提として複数の内定をもらう(そもそも複数の会社を受ける)必要がありますが、面接プロセスや内定のタイミングがずれると思っていたようにいかない場合もあります。物件の内見を想定していただくとわかりやすいかもしれませんが、企業としても内定を出す候補者を複数決めているため、双方のタイミングが合うことで初めて有意義な交渉が可能となるのです。交渉そのものはもちろんのこと、複数の企業との間で進んでいる面接プロセスの管理なども、転職エージェントを活用することの大きなメリットです。

以上、外資系企業に転職して大幅な年収アップを実現した方の職歴とこれらの方に共通する要素、そして転職活動における裏ワザをご紹介しました。実際に転職を検討していなくても、職務経歴書を作成してこれまでのご自身の経歴や実績を振り返ることで、今後のキャリアを見つめ直す良いきっかけとなります。新年度が始まる前にぜひ試してみてください。

堀内 舞(ほりうち・まい)
SThree マーケティングマネージャー

1987年東京生まれ。イギリスの大学院を卒業後、科学雑誌の編集者、フリーランスのローカライゼーションスペシャリストを経て、現在STEM分野に特化した採用と転職のサポートを行うSThreeにてマーケティングマネージャーを務める。STEM分野でのキャリア形成の啓蒙に加え、女性活用・活躍の推進にも興味を持つ。