調べても簡単に答えが見つからない問題を解くには、どうすればいいのか。ひろゆき氏は「そうした問題を解くときには、“ムリやり推測する力”が重要」という――。

※本稿は、西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

ビジネスに唯一絶対の正解はない

目の前で問題が起きたとき、あなたならまず何をするでしょうか?

問題解決をするときに最初にすべきなのは、「それがどんな問題か」を把握することです。

問題はタイプによっていろいろな分け方ができるのですが、僕はまず2つに分けて考えます。

よく使うのは、その問題はすでに「答えがわかっている問題」なのか、それとも「答えがわかっていない問題」なのか、という分け方です。

「答えがわかっている問題」というのは、「鎌倉幕府をつくったのは誰か?」や「この三角形の面積を求めよ」といった、学校のテストで出るような問題のことです。こうした問題は、教科書を読んで調べたり公式を覚えたりすれば、誰でも答えを導き出せます。

すでに誰かが答えを出している問題や「答えがわかっている問題」は、自分で考えて答えを出そうとするのは時間のムダなので、調べてしまったほうが速いです。

僕は、問題を解決する際には、分析する力よりも調べる力のほうが大事だと思っています。問題の本質をつかむためにも解決策を立てるためにも情報は欠かせませんし、情報が多ければ多いほど正解にたどり着く確率は高くなります。

だから、僕はふだんから気になることがあれば、すぐに調べるのがクセになっています。ニュースを見ていても、「これはどういう問題なんだろう」「こうしたら解決できるんじゃね?」と思ったらググります。

たとえば、日本で選挙になるとよく「若者の投票率が上がれば政治は変わる」という話が出ますよね。この話を聞いたら、年代別の人口や投票率を調べてみればいいのです。ググればすぐに数字が出てきます。

とくに、すでにデータがあるものに関しては、あれこれ推測するよりも調べたほうが早いです。

調べれば不正解がわかる

僕はアイデアなどを思いついたら、それが正解か不正解かを知りたくなってしまう性格なので、その考えが本当に成立するのかもすぐに調べて確認します。先ほどの若者と投票率の話であれば、「もし20~30代の投票率が100%だったら?」という仮説が実現したらどうなるのかを検証してみます。

その結果、正解とわかればスッキリしますし、間違っていたとしても、この解決案は不正解だということがわかりますからね。

調べてみるとたいてい、似たような問題があったり、誰かが解決策を試しているケースが見つかるものです。

たとえば、僕は以前から「日本の税収を上げるために、資産課税を導入したほうがいい」と提案しています。

これは、不動産や株などの資産をたくさん所有している金持ちからもっと税金をとるという仕組みなのですが、じつはフランスに同じような税制があるんです。もちろん国民性や文化などの違いはあるのですが、うまく回っている例があるならマネしたらいいよねと考えたわけです。

ただ、フランスの場合、資産課税のせいで金持ちがロシアに逃げてしまったという別の問題が生まれたのですが……。

そうした失敗ケースも含めて、似たような事例がないか調べてみるのは、問題解決に役立ちます。前例があれば、やった結果どうなったかまでのモデルがあるということなので、自分が正解を見つける近道にもなります。

2022年1月、パリにて撮影。
撮影=松永学
2022年1月、パリにて撮影。